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とても良い

この回、現代のアイドルについての物語としてあまりにも本質的だった。
「一つの色にまとまる」のではなく「やりたいこと」を貫いていい、というのは第2話の繰り返しだが、ここで新たに加わっているのは「ラブライブ」に象徴される競争的アイドル観だ。それに対して侑は「スクールアイドルがいて、ファンがいる。それでいいんじゃない?」とコミュニケーション的アイドル観を差し出す。『ゾンビランドサガ』では「昭和」「平成」によってメディアアイドル・ライブアイドルの対立を描いていたが、ここでは後者についてより詳しく、リアリティショー的な側面(モー娘。誕生時のエピソードやAKBの様々なイベントに典型的)とコミュニケーション的な側面(推し、推される関係)を対比させている。『ラブライブ』無印(サンシャインは未視聴なので分からないが)がリアリティショー的なアイドルを扱ってきた事を考えると、虹ヶ咲のこのテーマ性は正にその「次」として決定的なものだ。より広く言えば、新自由主義の箱庭としてのアイドル界の再現(アニメ化)を、個人主義的・社会民主主義的な何かへと向かう社会の動向に合わせて再編したと言えるだろう。
そしてこうしたテーマ性が上滑りする事なく、それぞれのキャラクターの心理を丁寧に描く中で紡がれている。驚くべき完成度である。



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