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とても良い

あきらが正己と対する時はいつも緊張し高揚しているのに対して正己は意外に平静なことが多いです。想いを寄せるのがあきらなので当たり前のような気もしますが、若く美しい女性に寄られれば穏やかではいられないのが普通ですよね。
でもその辺りこそが非常に僕の好きなところで、身体が反応するのが遅くて理性が先に立ってしまう、抑え込められてしまう。それが年齢的にも正己本人の個性としても非常なリアルさを持って迫ってきます。
その意味で画の造形が極めて美麗できめ細かいあきらに対して、心情描写は正己の方に慎重なアプローチがされているように感じていて、ある意味ミステリアスなあきらと圧倒的な現実である正己、この対比が物語のバランスを微妙に保っているようで僕は目が離せずにいます。
そこに今話です。あきらの突き刺さるような想いが正己を覆う分厚い層を貫いてしまったわけです。動き出す身体、差し伸べた手に懸命に理由付けをしながらも抑えられない。その正己の行動にとても感動しました。
ラストシーンのあきらの妄想で2人が裸で抱き合っていたのは、正しく心と心が直接触れ合った事を視覚的に見せてくれているようでとても好きでした。
発作的なものとはいえ互いに触れ、肌の匂いを知り、その温かさを感じてしまった。これはもう元には戻れないはずです。これからどう動いて行くのでしょうね。



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