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全体
良い
映像
良い
キャラクター
良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

 僕が好きなタイプの近未来的映画という感じでよかった。切ない恋とそれを原動力として研究に打ち込む孤独、ドラえもん最終回二次創作と近いものを感じてとても好きなタイプだった。
 本作で最も心打たれたのは、一行瑠璃が大人の直実と別れるときの「あなたは私を愛してくれたんですね」「さよなら」のシーン。大人の直実にとっては、攻略法通りに近づいた主人公と比較すると、より「はじめて自分で選んだ人」として一行瑠璃がかけがえのない存在であることが分かる。大切な人、と軽く呼ぶには重すぎるほどに大切な存在、それを思い出に残す間もなく落雷で失ってしまう。これがどれほどショックだったか考えるだけでつらくなる。そして、長い長い努力の末に救い出してもシステムに阻まれ、結局主人公と一行瑠璃は帰って行ってしまうことになる。徒労感と虚しさと喪失感にまみれてしまいそうな大人の直実に響く一筋の光としての救いの言葉、本当に、この切なさが一番好きだと僕は感じた。
 一番最後のどんでん返しも好きだったけど、正直オタクを喜ばせる演出やろという感じなので、僕にとっては、たとえ仮想世界上の出来事であったとしても、確かにそこには本物の物語があったということが、この物語が好きな理由だと思う。



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