大好きな作品。
ストーリー、作画、世界観、キャラ、CV、音楽、全部最高。ベテラン声優さんたちがのびのび楽しんでいる芝居も素晴らしい。敬愛する山寺宏一は確か初の主役とご本人がインタビューで語っていた。そして菅野よう子の音楽!毎話新曲が入るとか贅沢すぎてどうかしている。しかもオールジャンル(Session#7のヘビメタかなり好きw)。菅野よう子は当時、オーダーされてもいないのに曲をバンバン作ってはナベシン監督に渡していたとかいないとか。OSTは今でもTVで使われる完成度。SEATBELTSのライブは大人気だったなあ。2024年1月からは最終話ED曲"Blue"の新ver.がHondaのCMに起用されるなど息が長い。名曲だよな。
登場人物にはそれぞれ歩んできた人生があり、共に過ごす今を経て、また道が別れていく。基本ベタベタしない大人のドライな関係性だが、その中に笑いあり人情ありシリアスありシュールな展開ありと、いい塩梅のバランスで物語は進む。その緩急や余白はまさにジャズ的で、観た後もさまざまな余韻を残す。
エドが去る回、あっけらかんと離脱するエドと、残されたスパイクとジェットがひたすらゆで卵を食べ続けるシーンは、背後に流れる曲と相まって今でも印象に残っている。
いつも余裕綽々に見えるスパイクが、いつまでもジュリアに固執していて、ジュリアのこととなるとおかしくなるキャラ描写も上手い。余裕があるのではなく、本当はジュリアのこと以外どうでもいい。危険と隣り合わせで煌めいていたあの頃の3人の黄金時代が全てで、今は残り火のようなもの。そう見える。ジュリアを追うためなら持つもの全てをあっさり手放す危うさは、今の仲間を手酷く傷つける。それでもジェットはどうにか受け流すだろうが、中身乙女のフェイフェイはね...。
そのほかにもハードボイルドな台詞回し、妙にリアルなメカ操作の描写、キャラの立った脇役たち、音楽に因んだ各話のタイトル、テーマに合わせてしょっちゅう変わるジングル、声優陣のアドリブ続出の次回予告など、細部まで凝ったすばらしい出来の夢のような作品だった。
またこんな作品に出逢いたいと願いながら、自分は今もアニメ作品を見続けている。