「では、俺の目をまっすぐみれるか?」フォーマルハウトとの冒頭のやりとりは、二人の会話の枠を超えて、今回の全体を貫くテーマになっていた気がします。
「第4回 動くものを追う習性があります」今回のサブタイトル表示絵とても好きで、見返してさらに好きになりました。出来事の思い出の品が数々映るのは強いです(次回予告の傘も好きな予感がしました)。そういえば、オープニングの”クラクラに クラクラにさせてなんて”(ぐるぐるに→クラクラに 訂正。なんでぐるぐる…)のところはサブタイトルと似た形式になっているんですね(その視点で見てなくて気づいてませんでした)
「彼女には悪いが本当に決着をつける時が来たようだ!」の前の、声が聞こえただけで力が抜けたにぎりこぶしのリアクションだけで(ダメそうですね…)って思えて楽しかったです。
観覧車の描写が印象に残る回でした。と思って見返したらオープニング映像以外で、最初の5分間、観覧車は描かれていませんでした。
やや下方向から見上げる角度(A)、やや遠く斜めになった観覧車を見る角度(B)、観覧車に正対するような恐らく中空からの角度(C)の3種類の構図に観覧車の明かりや空の模様で描かれました。
・フォーマルハウト「壮絶な戦いだった」(A。観覧車の明かり)
・ミラ「消そう」(B。観覧車の明かり。流れ星)
・ミラ「今日は私の同僚を連れてきた」(C)
・白夜「フォーマルハウトさん、帰ったんですか?」ミラ「ああ」(A)
・ミラ「気に入ったのか」(B)
・白夜「私、嬉しかったんです」(C。夕焼け?)
・ミラ「フォーマルハウト、誰がうさぎを拾ってこいと言った?」(B。夕焼け?色合いをひきつぐ)
(見落としがなければ)この7箇所だったと思います。こういうことを考え出して、オープニング映像は図案化していることもあって、正面からの構図だと思いました。明かりや空の色合いでも意味が込められていると思うので、そう単純化できないような気もしますが、Aのやや下から見上げる図はフォーマルハウトの素直さと勘違いしがちな性格を、Bの遠さと斜めった角度はミラの好意を悟られたくないとまっすぐに表せない様子を、Cの真正面すぎる角度は白夜の誰に対しても変わらず「参謀さん」、「ミラ」への好意も隠さず告げる生き方を、象徴しているように見えました。
はじめに印象に残ったのは白夜「私、嬉しかったんです」(C。夕焼け?)の場面です。正面だという印象が強く残り、即座にオープニング映像が思い出されました。
3人ともが違う視点で見ているのがよく見える回で面白かったです。例えば魔法少女になったのはお金が目的と聞いたフォーマルハウトの反応は、コメディで流されてましたが、以前ミラがそれを聞いた時との違いが興味深かったです。ミラがお世話になってると挨拶されて、私もいつも「参謀さん」にお世話になってると返した白夜の反応も、フォーマルハウトにとってはただの親友の名前でしかなく、ミラにとっても大した意味のない自分を他者と区別する記号にすぎなくても、白夜にとってはそれを知ったことが特別でした。
観覧車はそういったことを、ひとつの〈場〉を共有していったことと同じ時を過ごしたこと、それぞれに見え方が違うこととを表しているのかもしれません。