意図せず理不尽なゲームに巻き込まれ、参加者たちの貴重な時間が容赦なく削り取られていく――。その残酷な事実が軽視されている描写には、観ていて強い違和感を抱かざるを得ません。
しかし、その圧倒的な理不尽さのなかでこそ、神崎直が参加者たちに突きつけた問いかけが強烈な輝きを放ちます。ライアーゲームというイベントの本質が、単なる「嘘をついて成り上がるシステム」ではなく、「嘘をつかないことで全員が救済されるシステム」であるという真実に気づかされる構成には、思わず痺れました。利他の精神と信頼によって誰も落とさないという選択肢を提示する彼女の姿からは、極限状態の人間模様を描く本作の真骨頂を見た思いがします。