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全体
普通
映像
良い
キャラクター
良い
ストーリー
普通
音楽
とても良い

欠くことのできない勇士を3人も行動不能にしてしまったことで、シナリオが行き詰まった。過去の英雄たちの不在で、主役に繰り上げられた整合騎士たちでは、派手な戦闘シーンを繰り広げたところで、体制を支えきれないだろう。前作の本編や設定資料を見た印象では、ユージオとカーディナル抜きでアンダーワールドの混迷を収束するのは不可能、という実態が浮かんでくる。

SAOはキャラ売り作品であり、一部の人気キャラクターが売り上げのほぼ全てを支える構図のコンテンツ群である。第2期あたりまでは、この状態を維持することで業界内の地位を保ったが、劇場版あたりから企画サイドが妙なプライドを出したらしく、それまでの主要なキャラクターを軒並み排除し、キャラクター人気に頼らずともネームバリューで乗り切れると考えたのだと思われる。それが「アリシゼーション」で視聴者が感じた、作り手の(異常なまでの)気負いの原因だろう。結果は見ての通りである。繰り上げ主人公格のアリスは、物言わぬ英雄に泣いてすがり、終盤にアスナとシノンが介入して幕を閉じた。

ストーリーは前作「アリシゼーション」の時点で破綻し、今作の不評は、前作で観客を無視して非道な展開を続けたことで従来のファンが離れており、そのとばっちりを受けたともいえる。これまでの蓄積があるだろうから企画自体が頓挫することはないと思うが、ネームバリューで何でも突破できると思ったら大間違いということだろう。



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