敢えて校内紛争・運動を取り上げてこの描き方か…。
運動の中で個が犠牲とされるといった視点や問題提起はありうるものと思うが、とはいえ運動一般の価値が否定されるものでもない。社会運動への否定的な風潮が強い昨今、そうした点への配慮もなく、運動(ないし少なくとも校内紛争)全般が否定的に描かれているのは、とてもがっかりした。無論、運動の中で犠牲とされた個人が犠牲を告発する中で運動全般を否定するような見解に至ったとしてもそれはやむをえなかろうが、当事者性とは切り離されたフィクションである本作品が示す見解・世界観には、到底共感しえない。
また、最後の2話は見ていて非常にしんどかった。
映像や物語の雰囲気、文集の名に込められた意味から嘗ての校内紛争を紐解くといった設定は割と好きだっただけに、物語の展開は残念でならない。