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全体
とても良い
映像
普通
キャラクター
普通
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

<ネタバレなし感想、紹介文>
特に前情報なしで少し前に友人から勧められて見ました。見終わると「よくこれを勧めてきたな...」とその感想が真っ先に出てきました。
これにはポジティブ、ネガティブ両方の理由があります。

先にネガティブな方を書くと、僕には絵があまり好みではなかったです。これは好みなので「H2O アニメ」で検索かけて画像をパパっと見れば判別できると思います。作画は「これはひどい!」っていうのはなかったと思います。
次に登場人物、これが僕の場合ずっと主人公気に食わないな~というのがありました。またヒロインも1クールという短さもあって馴れ初め的な部分がほぼないまま主人公にベタベタしているので終始「ついていけねえ...」と見ていました。これも人による感想だと思いますが万一僕と同じような感想を抱いた方は終盤まで頑張って駆け抜けてください。そんな状態になっても最終的には全て消化できます。

さてポジティブな方は、ツインテール農村ツンデレ美少女、田端 ゆいちゃんがかなり癒しになってくれます。君が望む永遠で大空寺あゆに救われていた僕にとっては半端ないデジャヴでした。また、曲が本当に素晴らしいです。OP, EDは本当にどちらも甲乙つけがたい出来ですが、挿入歌の「life」...個人的にぶっ刺さりました。このアニメを見た方は共感して頂けると思います。

...ネタバレなしで紹介するとこれくらいしか書けないですね。
このアニメは本当に最後の方まで見ないと本筋、テーマが見えてきません。でもこのアニメは最後見事にまとめてきますし、正直テーマ的に全く被ってる作品も思いつかないです。もしあったとしてもここまでまっすぐに描けている作品はないのではないでしょうか。そう思えるくらい、綺麗に風呂敷を畳んでくれます。

最初の話に戻ると、「多少は我慢してくれ!でも絶対に最後まで見てくれ!!」そう強く言わない限り「なんでこれ勧めてきたんだ...」となるので、僕がこのアニメを最後までちゃんと見て、かつ気に入ってくれるという自信か信頼か、それがないと勧めようとは思わないでしょう、2020年に。そういった意味で友人のことも、そしてその友人が多少リスクを冒してでも(?)勧めてきたこの作品が本当に好きになりました。

多少しんどくても、是非最後まで見てください。


<以下ネタバレありの雑感>
全体通して7割くらい「主人公周り見えてなさすぎだろう!!!!」という苛立ちを抱えていました。
...見えていなかったんですね。

考えてみれば伏線はそこそこありましたし頭回ってなかったな~という感じですが。
まあだからこそ最後スッと全部内容が入ってきたところはありますね。展開読めてたらちょっと違った感想になっているかも。以下はキモいオタク語りです。

このアニメはまず何と形容したらいいのでしょうか?パッと答えられる人は中々いないと思います。ネタでいいなら「部落差別アニメ」ですが。

主人公もメインヒロインも壮絶、悪く言えばあまりリアリティがない境遇ですが、「過去の出来事から時が止まっている人」というのはそう珍しくないと思います。そしてその人がどのように時計の針を再び動かし、かつどう生きていくのか。このアニメが描こうとしているのは意外と身近な、小さなテーマだと僕は考えています。

もう一つお気に入りの部分は、登場人物や物語も広がりすぎず、かつアニメにありがちな安易な大人と子供の対比のようなものがあるわけでもなく、視聴者が特に本筋を捉えていなくても、無意識にしっかりと見てほしいところから目を反らさないような絶妙なバランス、無駄と欲のなさがあります。これ何アニメ?と形容しがたいのも安易なテーマや感情描写に引きずられることなく、淡々と物語を描けているからだと思います。

時計の針が動き出してからは、早かったですね。挿入歌の「life」これが全てを説明しています。物凄い秀逸な歌、場面での登場でした。

「結局精霊ってなによ~」と思う気持ちはないこともないですが、音羽が主人公の時計の針を動かすために現れた精霊だったとして、もしもはやみが生きていて(はやみが轢かれたかもしれない踏切では、電車側の線路は渡り切っているように見えました)、主人公が激しく落ち込み再会ができずにいたとしたら(ほかのキャラクターに対して主人公はあまり時間の経過を感じませんでした)、一度役目を果たしたものの最後にもう一度精霊界にお願いして手伝いに来たのかなと。ハッピーエンド説よりバッドエンド説を支持しがちな僕ですがここまで綺麗に作ってきたことを考えると、これがこのアニメにはしっくりきました。



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