青ブタシリーズの集大成となる今作
1期から思春期症候群と共に描かれてきたキャラクターの「孤独」からの脱却と克服のテーマを最後の最後で作品の美学として昇華し終結へ繋げられたと感じた。
初め霧島透子と美東の関係に対してのクローズアップ、事故により失ってしまった透子と1人だけ未来を歩む美東の抱える過去の後悔からの跳躍を咲太と共に乗り越え美東の抱える思春期症候群の解決。
過去回想から2人の関係や透子の残した歌の意味の紐解きや思い出の踏ん切りを咲太とつけることで過去への決着を済ませ、同時に掴みどころのない美東の人物像の輪郭を形成し咲太と「友達」になることで作品に出てきたヒロイン達全員のキャラの深堀を完成させた。
またそんな前半から観測者として世界に取り残されていた咲太自身の孤独からの跳躍、思春期症候群に囚われて無意識に不祥事の捌け口として縋っていた現状からの成長にフォーカスを当てていて、今までヒロイン達に接した時の達観さや視点などから1目置かれてきた咲太との逆転の構図になっていたように感じた。
思春期症候群との向き合い方や思春期症候群によって引き起こされてしまった辛い過去をひとつの「思い出」として心に置くことにより思春期症候群を否定することなく20歳になると共に大人へと成長するそんな瞬間を目の当たりにできた感覚がしてとても心を打たれた。
また美東と別れるシーンの電車の進む方向や咲太の帰る方向などでこれから向かう場所の指針を表した演出も粋で好きだったし、咲太のそばでそんな成長を自らで知覚させ決断させたのが「桜島麻衣」であったのも咲太がヒロインに寄り添ってきた時に感じてた、「じゃあ咲太には誰が寄り添ってあげられるのか」という疑問を今までずっと見せられた2人の関係性の行く末と共に同時に回収した瞬間だと感じとても良かった。
そして自分の望む将来の姿になることで物語に幕を下ろした。
自分は集大成としてはこれでいいのではないかと思った。とても良い作品をありがとうございました。