少佐の残した愛してるを理解するということは戦場で殺めた人達の愛を奪った罪を背負うことになる。
あの冷たい機械の手で自分の首を絞める気持ちも最後まで力を入れられないのも理解できる。
仕事に復帰した帰り道、これまでのヴァイオレットのお客さんは年下の女性と年上の男性が多かったことに気がついた。兄弟、恋人、親子。どれもヴァイオレットと少佐の関係性を連想させる。
ラスト、少佐の言葉を思い出して社長にドールとして生きても良いのかと問いかけるシーンは自分の本心であると同時に少佐の最後の命令を実行したいという気持ちもあるのだろう。生きる意志を示した彼女に社長がかけた言葉は少佐の命令を達成するものだった。その名にふさわしい女性になれと。
今回のカトレアさんと社長のやり取りで気がついた。この会社をヴァイオレットの疑似家族とすると、カトレアさんは子供を優しく守る母親。社長は子供が自力で立ち上がるのを見守る父親。第2話くらいまでの人形のようだったヴァイオレットがここ2話で一気に人間らしくなっていき、そこまでを丁寧に描いてた。