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ほんの一瞬の気の迷いが菊比古に一生ついてまわる呪いを背負うことになった。
助六の落語家復帰のため、助六一家の幸せのため、菊比古は骨を折りコツコツと準備を積み重ねついに落語家助六の復活を成し遂げた。全てが良い方向に回っていた。菊比古の願いはもう少しで叶うはずだった。それをぶち壊したのは菊比古自身。みよ吉に迫られたとき、どうしてもみよ吉を拒絶できなかった。菊比古の犯した罪はそれだけだったのに、彼へ与えられた罰は、彼の愛した二人の死。客観的に見れば偶然が重なった単なる事故だけど当事者の菊比古にはそんな割りきった考えはできないだろう。
この話では、菊比古のような冷静な人でも好きな女への思いは何年経っても捨てきれないというところに、恋愛感情の不条理さが出てる



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