今まで1年1作で、子供~青年時代を主人公にしていたプリキュアの、ED後を描いた意欲作。
良くも悪くもタイトル通りの「オトナ」になって、パワハラなどの理不尽な職場や環境を描いている。これが、往年のプリキュアファンが観たかった物なのか、と少し思った。
物語自体はプリキュアらしいといえばらしく、世間で問題になっていること(オトプリでは環境問題)が擬人化し、世界に影響する。それに、プリキュアが戦っていくという展開。
(なおプリキュアは、過去の姿に戻るリスクとして、身体にダメージが蓄積していく)
個人的に良かったと思ったのは、終盤で街の人々が「頑張れ」と声援を送る終盤で、元敵役のブンビーが
「貴方たち!『頑張れ!』って応援している場合じゃないですよ!
あの子達はね、もうむちゃくちゃ頑張ってますよ昔から。
でもここは、貴方たちの街でしょ?。貴方たちが頑張らないと!」
※pixiv百科事典より転載
と発破を掛けるのがとても良かった。頑張ってる人たちに頑張れっていうのは何か違うよね、というのはオトプリに限らずあったので、ここに強く感動した。
色々なハッピーエンドが描かれる中に最後の最後で不穏な終わり方をしているが、これは次回作への引きではなく「オトプリ世界の問題は解決したけどそれだけで、あなたたちの世界(現実)では何も解決してないよ」ということの暗喩だと思った。
・ 追記1
話は横に逸れるが、シンヱヴァは謂わば卒業式的な位置の作品(声優、ファン、関わるもの全てへの)だと思っている。
同様にオトプリも登場プリキュア作品の卒業式的な作品として作られた気がした。
また公式からの新規の供給が絶望的な中、どのような内容(否定的な意図はなく、飽くまで「どんな内容でも」という意味)であっても、公式からの供給と、ある程度の結末が描かれるのは、この上なく幸せなことだと思う。
・ 追記2
ふと気になって調べたら、SSプリキュアの日向咲(パン屋の娘)は原作中に想いを寄せていた人が居たけど、婚約者とは別人の可能性が高いとのこと。
公式からの供給とはいえ、ちゃんと作品中の今回に関わるならまだしも、雑に描くだけで終わりというなのにこの改変は、ちょっとつらいなと思った。