恥の多い生涯を送って、異世界に来ました。
太宰治然とした主人公(ただし作品内で先生や作家と呼ばれ、名前で呼ばれることは無い)がトラックに轢かれて異世界転生する作品。
主人公は自殺願望が強く、常に死にたいと言っているが、結果として死ねず、むしろ転生ボーナスとして他の異世界転生能力者を元の世界に戻す能力を持つ。
構成自体はありがちな異世界転生モノ(中世ファンタジーやハーレムなど)だが、物語はそのアンチテーゼ的な内容となっており、異世界転生モノに飽きた人に面白く観れると思う。
惜しむらくは、太宰治を知っているか否かで面白さが大きく変わるので、海外の人や文学に弱い人とかには訴求力が低いことか。
演劇から始まった作品群の、アニメ担当。アメコミヒーロー見たく、原作知識をそれなりに要求されるっぽい。
最初に事件から始まるけど、推理物やサスペンスと思ってはいけない。多分、育児と仕事の両立に頑張る格好いい男を愛でるジャンルだと思う。(CGDCTの逆版?)
ただ、貴族側の登場人物が全員無能すぎないか? と思った。
事件の解決を依頼され、その結果が
「拠点の2つを燃やされる」
「幹部が2人死亡」
「最高幹部や子息が誘拐される」
「最優先保護対象の暗殺実行に成功(殺すことに失敗)」
と、この未来(13話に続きの夢があるけど、演劇にもある)でどうすれば今の立場が維持出来るのか想像が不可能なくらいに大失敗の連続。
正直、推理物やサスペンスの要素をもうちょっと頑張ってくれたら、もう少し評価が上がったと思う。