作中の人物のやりとりがどこか芝居がかっていて出来の悪い演劇をみているようだった。特に眼鏡と下級生のやり取りはひどく、見ていて痛々しいほどであった。
またストーリーに抑揚がない。普通に高校生活を送っているだけであり、大きな事件が起こることもなく退屈さを感じざるを得なかった。作中の人物は皆それぞれ悩みを抱えているのだがその解決方法がほぼ誰かからの平々凡々な一言であり、そんなんでええんか?と思った。例えば進路に悩んでいた葵は瞳美から「あなたの絵をみたい」というような趣旨のことを言われただけで絵の道に進むことを決めている。これではドラマ性に欠ける。それでいいじゃないかと言われればそれまでだけど、どうも腑に落ちなかった。
最終話で瞳美が色を見ることをできなかった原因は瞳美が自分自身にかけた魔法が原因であったことが明かされるのだが、その魔法が融けたときの納得感が全然なかった。何か特別なエピソードもなく「普通に高校生活を送ってみたら、なんか気持ち的に前向きになれて魔法が融けました!」という脚本で私は満足できない。作画、音楽はとてもよかったが脚本がそれに追いついていなかった。