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押井監督の作品ではあまり分からなかった草薙素子の凄さが徐々に分かっていった作品だった。特に作品後半では緊急事態の対応の巧みさ、義体使いの優秀さが表現されている。作品としては一度きりの大技だろうが、遠隔操作の義体が殺されるのは緊張感があって良い。トグサだけが残されてどうなるのかと思ったら、みんなちゃんと生きてたのね。良かった。ただ可愛いタチコマちゃんたちが……。タチコマたちはかなり好きだったので、バトーを助けるために犠牲になったシーンは泣きそうになってしまった。タチコマたちがフューチャーされる回も良かったが、本作で言及するべきなのは、笑い男事件だろう。誰が引き起こしたのか、どこまでが単一の事件なのか、さまざまな説がネットの海に渦巻く謎の事件。それが徐々に明かされる面白さもあるし、笑い男たるアオイすらも利用されたという構成の意外性があった。正義感に燃えるアオイのまっすぐさに心打たれる一方で、素子との会話でたどり着く答えが好奇心なのは少し単純すぎる気もする(お前はそれだけの本に囲まれているのに、何を読んできたのだ!)。SF的な設定は今となっては見慣れたものも多いけれど、光学迷彩などのカッコ良さは全く古びていない。ただ、電脳空間上にある謎の法廷でレスバするシーンは少ししょぼいようにも感じられたけど。先述したように少し引っかかる点はあるものの、サイバーパンクSFとしての完成度は非常に高い作品だと感じた。



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