スタジオ・コロリドはNetflix限定配信のものが多く、映画館で上映するときも同じタイミングで配信をしている。今回は配信だけで映画館の上映がない。
見てみると最初から緻密に書き込まれた画面に驚かされる。より大画面でのこのアニメを浴びたかった。
家族とのそりが合わず高校から単身で上京したイロハが、ゲーミング電柱から拾った少女かぐやと賑やかな日常を過ごすようにあるというのが本筋だろう。核となる存在はバーチャル世界「ツクヨミ」の管理人兼人気ライバーのヤチヨだろう。このキャラクターは結構変な位置付けにいるというか、最初に期待したのはイロハとカグヤの相補的な関係と掛け合いだったので、もっと物語の装置だと考えていたのだが、とても中心的な役割を果たす。この違和感が終盤の展開で解消されたときの驚きといったら。
アニメ表現は意外にもインディー的。sakugaアニメ作りますって感じ。2次元イラストの強力なデフォルメ表現をそのままアニメにしている。逆にアクションシーンは堅実。ミドルショットくらいのは3DCGを用いて動かす、動きを激しくするときはカメラに動きを付けたり、エフェクトに漫符表現を入れたりしている。殺陣もそれとして成立しているもので戦っている感じがめっちゃでている。個人的に良かったのはゲーム内の背景描写で、主線を消したのっぺりとした平面な感じで描いていて、現実かゲームかが一目でわかるものになっていた。
音楽、BGMもいい。挿入歌もそれぞれ凝っていて、10年代前半ほどのボカロに興奮したあの頃を思い出す。ライブシーンも色彩がバキバキで最高だ。
エンディングにBUMP OF CHICKENの「ray」カバーが流れる。作品を解釈したような歌詞として読めるほどマッチした秀逸な選曲。「ray」が初音ミクと歌ったバージョンもあるので有名。そこから多重な意味が生まれて、これが流れるのがとてもしっく来る。