前回天の河が映らなかった(たしかそのはず)のをなんとなく途中で思いだしました。後半が好きな感じでした。
1年の期限を知らされて、アドバイスをもらって、「デート」(デートらしいデート)をするコウとそれが楽しくないナズナ、夜景を観ながら食事をとる最後だけは、いつものそれがデートだったと言葉にするナズナにコウの返す言葉がなかったのが印象に残っています。(ティッシュの必要性、それの存在によって示されるコウのこの時の精神の特殊性についても少し考えました。それはさておき)言葉のなかったことによって同じ天の河でも違って見えました。吸血は変わりなく甘美な一時で、ナズナの考えを受け入れる部分もあって、けれどナズナの答えをそのまま受け入れることもできない様子を感じました。いつか、ナズナに聞けば分かるのでは、のようなことを言っていたことがあったと思います(うろ覚えです)。その時とは違う意見を持つ予兆を感じて好きでした。
マヒルがなんとなくかなり好きなキャラクターで好きでした(特に意味もなくふと、真夜中のマヒル、と観ていて言葉が浮かびました)。友達がたくさんいるということは、先の恋愛におけるような手練手管を(それを意識するしないはともかく)使いこなしていることを意味すると思います。そんなマヒルにコウは憧れを抱いています。惚れていると言った方が良いかもしれません。マヒルは誰かに恋をしています。惚れています。その様子はアキラにきもい言われて、マヒルに憧れるコウもアキラに(2人の時の会話が)きもい言われます。コウは恋愛はわからなくても友情はそれなりにわかって生きて来ていて、前回、恋愛の手練手管には箸にも棒にもかからない返しの様子だったのに対し、今回、友情に関しては自然と惚れることをしていました。本人は気づかないその不均衡さ(側からみればある種のきもさ。平静を失っている様子)の自然さ(コウの、恋愛では働かず、友情場面では働く感情の自然な歪み)に目が行きました。
最後の手繋ぎ(の対照)、よかったです。
(追記)おそらくコウと出会った自販機でビールを買って、(「ふらふらコウくん」)に見つかるのがなんともいえず何かが好きです。そういえばこの2人、酔っ払いとの失敗ハイタッチからナズナとコウでハイタッチして始まった関係でした。新しく始まるような戻ってきたようなまるっきり変わってしまったような何にも変わらないような、そういう雰囲気をおそらく感じた場面でした。だからきっと、その後の手繋ぎが好きです