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とても良い

(1話のハイテンションもそれはそれで楽しかったですが、このくらいのテンションの高さがほどよく好みでした)
冒頭、「アイドル」も「モデル」も見分けのつかない校長(どちらも「有名人」)先生の歓迎の言葉から始まります。目は目だけで見ていません。目に映ったら自然と口元が緩んでしまうような「大っ嫌い」な「先輩」は、モデルになったこの子からはどう見えるのだろうと想像しながらOPを観ました(前の方の先輩の登場場面と最後の撮られるために歩く様子が印象に残りました)。
(すでにだいぶ忘れかけていますが、1回目はどんなことを考えていただろうとおもいだそうとしながら2回目を観て書いています)
モデルのみかりんをアイドル(偶像)的に見てサインをほしがるクラスメイトを見たり、「噂」で色メガネにかけながら陰口をたたく声を聴いたりしながら、今回は『見る』ことに焦点を当てた回かもしれないとやや確信しました。ほーっとその転校生を眺めるリリサに何を思っているかハテナが残りました。それはその後の展開の導入だったと後から判明しますが、その時この時のことを思い返して、傍目からは生のモデルに会って舞い上がってるクラスメイトたちと同じに見えるだろうと思いました。みかりんに漫画の部活あるか聞かれて(自分達と同じように)みかりんは漫画が好きなんだろうと想像したクラスメイトたちの『目』も面白かったです。
 昨日の出来事を思い煩って部室に向かう正宗はリリサの目を気にしています(見返していて気づきました。正宗の明らかにヤバげな様子に周囲は引いています。そういった目は正宗には目に入りませんでした)。部室で(「まだどきどきしてる」リリサは自分のことで手一杯で正宗の様子が見えていない、と見返して思いました。ここから正宗とリリサのやりとり全部好きでした。その後のゆかりと正宗のやりとりも全部好きでした)先ほどのハテナ(リリサはモデルの転校生に何を思ったか)が明かされて、すごい見え方だ!と笑いながら楽しかったです(明かされる前、話を聞いた正宗の予測が「意外とミーハー」なのも改めて観ると自分の見え方と正宗の鍛えられた語彙力から角度が変わっていて面白く感じます)。部のカメラ(今考えるとこれは先輩の残した『目』でした)に残された写真を眺めて笑む正宗にリリサは自分の「わがまま」が正宗からどう思われていたかを想像し、正宗にも部活を楽しんでほしいと考えます(こういう理屈ぶったこと考えなくても、コミカルで楽しかったです…考えながら観ると「私たちも楽しい部活にしましょう!」にうるっと来ました)。
 空き教室でのカメラの撮影テスト(「ここなら誰も来ないので」、みかりが来るフリかと思いました。ほんとに誰も来なくて面白かったです)、……正宗の目(傍目)には普通でも、リリサ自身の捉え方ではダサくてキツいとか、コスプレと思えば平気とか、でもコスプレじゃないこと思い出すと恥ずかしいとか、本物の『目』を研鑽してきた方なら無限に語れるところだと思いました(私の『目』では力及ばす…なんかすごく良かった、コメディとしてもすごく楽しかったし、くらいしか言えそうにありません。改めて聞くと「私はリリエルじゃないから、リリエルになりたいんです」の台詞が深くて何か考えたくなりました)。三次元女子として見れば平静に戻れるとか、それ(平静に戻ろうとする正宗)を見たリリサが「上手に撮れるおまじない?」と勘違いしたこととか、何重にも『目』の話が重なっていて面白かったです。眼鏡を落とした場面では、眼鏡を落とす意味とは!といきりたちましたが、ドジっ子属性であ…そっち(スン)となりました(しかし、真剣に考えても何か言えそうだ、とは思います。そして楽しかったです)。ドジっ子芸三連発はそうはならないでしょと思いながら笑ってました。めっちゃ楽しかったです(補習の呼び出しは二人だけの空間から外側を一気に取り戻す展開で、見返して感心しました)。「楽しい部活の記録」をカメラに残すところがとても好きです。
 (みかりんに夢中になって書道部が目に入らない周囲の様子も、再び目撃すると含蓄を感じます。何かに夢中になることはその何かに対して深くなると同時に必ず何かが見えなくなります)1人で遊ぶ無我夢中で楽しかったはずのゲームに「盛り上がりに欠ける」と感じる正宗が好きです((書いた文章を些少なりとも推敲していて、屋上で1人になったゆかりと対比になっているように感じてきました。モデル(広い空)になって正宗に再会するみかりと、ゆかりの思う「オタク」のままではいられなくなった正宗の、どちらも1人になった2人です))。「先輩」(正宗)とみかり(みかりん)の再会や回想には、本当に変則的ど直球(前回感想同様だからどっち)な運命の出会いの描き方がじょうずすぎると思いました。とても好みです。そういえば、今回は特に口元の微妙なニュアンスの描かれ方が好きです(と正宗に再会した美花莉の口元を観ながら思い出して書きました)。AパートBパートの切れ目、ジングルがなくてもはっきりとわかる演出が好きです(その後の回想を知ってから見ると、髪形を寄せてから好きな子いるか聞いたみかりにぐっと来ます)。みかりが自分が変わったと認識していることと正宗はみかりは変わらないままだと思ったことと、…ここ笑いも感動もサラダボウルで感情が乱高下しながら書いています。「待って!行かないで先輩、せっかくこんなに近くに来てくれたのに…もう少しこのままで」がとても好きです(…もしかしてリリエルの台詞の引用なのでしょうか?)。変わらない「オタク」な先輩を見て、みかりは「今は好きな子いるの?」に対する先輩の微妙な変化を見逃します。
 屋上の独白もなんだか喉越しがよくて好きです(再度観ると、1人になったから見えるもの、という意味も思い浮かんできました)。「(先輩を忘れる?)」でそんなこと言われても絶対忘れない!とはならなくて「ここで裏切ったら」〜だから先輩の理想の天使として裏切らない、という結論が予想を裏切る結論でめちゃめちゃ面白かったです(完璧に王子様でかっこよくてオタクでダサい先輩(幼少期)が完璧でした)。
 最後いよいよ一堂に会した3人、(「メイクが完全じゃないんですが、今回はテストなので」「まあ、完璧じゃなくても、な」のやりとり、好きになりました)みかりは「女」に目がいって「リリエル」(コスプレ)が見えません。そのみかりの『目』が「リリエル」(リリサ)を捉えて終わるのも素敵な結末でした(「女の子に顔真っ赤にして」いる先輩もあながち間違いではなくて、何も見えなくなっているのではなく、見え方が違っているところも好きです)。

 蛇足。随分と長文になりました。これほど長文になったのは、私の『目』がちょうど見ることに向かっていたからだと思われます。私は私だけの目で物事を見ていないんだとしみじみと思う出来事がありました。かつては見えていたはずの〈それら〉がどうしても見えなくなっていて、その当時読んでいた本を再読したら〈それら〉が見えるようになりました。夢中になれば見えるものもあれば見えなくなるものもあり、多くの『目』を忘れないようにすれば(それは良いことのようでいて)それらの『目』を忘れた時に見えるものが見えなくなり。だから忘れないのではなく多くの『目』を思いだせるようになりたい、とここを書いている時点では思いました。



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