27話の「月島きらり劇場」は、正直かなり人を選ぶ回だったと思う。やっていること自体は大仰で、勢い任せなテンションも強く、見ていて虫酸が走るような共感性羞恥を覚える場面も少なくない。特にバラエティ的なノリを全面に押し出した演出は、人によってはかなり厳しく感じるだろう。
ただ、この回は単なるギャグ回や悪ノリ回では終わっていない。むしろ、アイドルという存在が「一人では成立しない」ことを描いた回として見ると、かなり重要な話だったように思う。
これまでの話でも、きらりはファンやマネージャー、スタッフなど、様々な人間に支えられてアイドル活動をしていることを少しずつ学んできた。27話は、その積み重ねを「番組制作」という形で応用している。番組というものは、一人だけが目立てば成立するわけではない。他の出演者との掛け合い、空気を読むこと、流れに合わせること、周囲を立てること。そういったチームプレーの上で初めて成立する。
だからこそ、この回できらりは、自分だけが前に出るのではなく、「場を成立させる」側へ回れるようになっていた。そこに彼女の成長が見える。
また面白いのは、作中で独りよがりに暴走していたキャラクターも、実際には大手事務所という強力な後ろ盾があるからこそ成立している点だろう。一見すると好き勝手に振る舞っているように見えても、その背後には支えるシステムが存在している。この構図はかなり皮肉が効いていた。
つまりこの回は、「誰もが誰かの支えで成り立っている」という作品全体に通じるテーマを、バラエティ番組という形で描いた話だったのだと思う。
演出そのものはかなりクセが強く、苦手な人がいるのもよく分かる。しかし、その騒がしさや寒さの奥には、アイドルという仕事を“個人の輝き”だけでなく、“他者との関係性”として描こうとする視点が確かに存在していた。そう考えると、単なるギャグ回として片付けるには惜しい回だったように感じる。