バトル系じゃないアニメでここまで引き込まれたのは久々な気がする。大きな決断をする場面である進路決めというタイムリミットに合わせて、恋の行方をはっきりさせて「Just Because」で終わらせないという構図だったのかな、と思う。
ここまでキャラクターの感情の機微や互いの関係を(ドロドロしていない良い意味で)リアルに描けている作品はなかなかなく良作だった。やはり青春の恋愛ものという側面があるので恵那と美緒の本気の衝突とかがもしあったら評価は下がっていたと思う。モヤモヤする感情を綺麗に表現できていて観ていて不思議な余韻が残る作品だったと思う。スタートから最後まで一本芯が通っていた感じ。
ただ淡々とした印象はあった(そこが良い作品でもあるのだが)。天気も曇りが多くて演出自体が派手さのない暗めの方針だったこともあり、ドカンと来るエピソードがなかった。この作品に求めるところではないとは思うがやはりカタルシスは欲しくて、そこだけ物足りなく感じた。ここが山場で盛り上がりどころだという緩急が好きだけど、それがなく本当に繊細な物語でそこが良いので☆5です。
キャラ、ストーリー、やなぎなぎの音楽、映像の雰囲気すべてがマッチしていてとてもよかったのだけど、作画自体は可もなく不可もなくという感じだったので映像だけ良いにしておきます。