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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
良い
音楽
とても良い

「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉」視聴終了
評価A+(名作)

叛逆の続き&まどマギ完結として見たら決して100%満足とは言えない映画だったのかもしれない。自分は2017年にまどマギを知った人だけど、2011年からリアルタイムで追い、映画から13年間待たされた人は、なおさらかもしれない。ただ、自分はこれはこれで面白かったなというのが、映画を見終わった後に正直に出た感想でした。

この映画は、ほむらの話と、ワスという新キャラの話が中心となっていた。特にこのワス、いわゆるワルプルギスの魔女の話が本当に良かった。
ワルプルギスの夜の正体について、ずっといろいろな考察を見てきて、様々な魔女の集合体説や、とてつもない絶望を抱えた一人の魔法少女説、なんとほむらちゃん説なんてのも。それが今回、まどかになり切れなかった悲しきシスターが、ワルプルギスの夜の生みの親だとわかり、まどかとの対比としてものすごく美しいと感じた。まどかと同じく、すべての魔法少女の辛さを肩代わりしてあげたいという、献身的な願いだった。少女の祈りを否定したくないという同じ目的であった。ただ、魔力が足りず、与えた希望の分の絶望に耐え切れずに、最悪の魔女、ワルプルギスの夜になってしまった。出発点はまどかと同じなのに、円環の理になったまどかと、最悪の魔女になったワス。作中最大の障壁として反り立つ敵のバックボーンとして、これ以上のものはなかったのではないかと。ワスがワルプルギスの夜だとわかった後の劇伴はもう絶頂。犬カレー特有の心の高ぶりを感じ、もう最高だった。
名塚底根という新規設定もすごく良かった。今までは、魔法少女が絶望に呑み込まれたら消えるだけだったが、少女たちの祈りを無駄にしたくないという思いから、魔女として名前を与えることになった。これがキュウべえでも知りえなかった魔女の真実。世界観について新たな彩りを加えてくれるすごく興味深い設定だった。さやかちゃんが自分を発見するシーンも最高。

そしてなんといってもほむら、叛逆の行動に対するアンサー。これに対しては賛否両論かと思うが、まず結末だけ見たら、かなり良かったのではないかなと思います。叛逆でのほむらの行動、まどかへの愛がすべてふりだしに戻ってしまったという意見も見たけど、自分は決してふりだしに戻ったわけではないと思う。
最悪のハッピーエンドとして名高い叛逆の話だが、これは一人の深愛がもたらした偽りの幸せだった。ほむらちゃんから見たらこれですべて解決となっているが、果たしてこれが本当のハッピーエンドなのか?当時はほむらちゃんの深すぎる愛ゆえの結末で「よくやった!」と、重い百合好き好き侍の自分は思っていた。ただ、そこで終わるのではなく、本当のハッピーエンドとはなんなのかというのは後々になってずっと考えていた。その、偽りのハッピーエンドを真のエンドとして向かうため、完結に向かうための集大成がこの映画。
叛逆が偽りだと言える一つの理由として、まどかの記憶の有無にある。まどかは円環の理から引きはがされた結果現世に戻ってきたが、そのときの記憶は無かった。そんな、何も覚えていないまどかでも良いとほむらは思ったのだが、果たしてそれが本心だったのだろうか?本篇12話で、自分の今までを全て見てくれたまどかに出会えたときの嬉し涙、ようやくまどかに自分の気持ちを伝えることができた嬉し涙は、記憶のなくなったまどかを呼び戻したときには感じたのだろうか?今回、久々に、自分の気持ちを全て理解したまどかと対面することができた。そして対話し、まどかの円環の理への帰還を心から許すことができた。それはなぜか。それは、まどかが円環の理になったことを、世界が知ってくれたからではないか。ここが本篇と映画の大きな違い。本篇では、まどかのことを誰も覚えておらず、まどかの献身もほむら以外の誰にも知られなかった。こんな姿をあまりにも不憫だと感じ、叛逆ではそこから引きはがした。だが今回は違う。今回は、まどかの献身を、皆に知らせることができた。だからこそ、ほむらは安らかな顔でまどかを送ることができたのかな、自分の中でぐるぐる考えて、そういう結論に落ち着きました。偽りのハッピーエンドの正し方として、良かったなと思います。

ただ、これが映画の最後の最後15分ぐらいでしか描かれていないのが一番の不満点。あまりにも対話シーンが少なすぎる。まどかとほむらの気持ちが12話ぶりに通じ合ったのに、そこからがあっさり過ぎるんだよな…。まどほむの話を見に来たのに、それを最後の最後でしかやらず、他は関係ない話というのが、映画の構成として良くないなと思った。
あと、上記考察が自分の妄想と言ってしまえばそこまでで、虚淵先生から一つ明確な解を与えてくれなかったのも、不親切だなとは感じた。虚淵先生は、まどマギという作品をどう見てたのだろうか。10年後ぐらいに語ってほしい。

上記の不満点をもっと掘り下げると、新キャラ二人がちょっと邪魔だったかなと。キュウべえを信仰する魔法少女など、個々の設定は面白く、話としてつまらないわけではないんだが、この映画には必要ない。ワルプルギスの夜のバックボーンと、叛逆の清算を見に来たのに、それとは別の話をされても、関係ないノイズに感じてしまったかな…。それならば、ほむらとまどかのシーンをもっと増やしてほしかった。決して話としてつまらなかったわけではないので、それが惜しいところ。

あと、最後の最後のキュウべえにも「はあ!?」となってしまったが、まああれはお約束みたいなもので、さすがに続きはないだろうと後に冷静になって思った。これで続きが来たらお気持ち表明します。お気持ち表明しながらも見には行くけど。

というわけで、ワルプルギスの夜の魔女の正体、偽りのハッピーエンドである叛逆の物語を正し、真の完結を迎えるための映画としてはかなり良かったです。ただ、それ以外のノイズが多く、100%満足かとも言えないのは正直なところです。でも、これはこれで良かったなと思います。
この前やっていた総集編のリバイバルも見に行くことができ、改めてこの作品の良さを感じることができた。生涯忘れることがない作品であることに変わりはない。



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