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全体
良くない
映像
良い
キャラクター
良い
ストーリー
良くない
音楽
とても良い

まず良いところを言っておくと、今までの細田守作品の中で一番綺麗な映像だった。
最初の歌のシーンは音楽と映像がマッチしていて、音楽もなかなか良かった。
駅でのカヌーの少年と女の子のシーンは個人的に好き。
単発のシーンでは良い演出も多々あったなと思う。

しかし、圧倒的にストーリー、脚本がめちゃめちゃ足を引っ張っていて、全体としてはかなり出来の悪い作品だと感じた。

ざっと理由がこれくらいある

  • すずが竜を助ける動機が薄い
    ライブを邪魔しにきただけの竜になぜそこまで固執するのか

  • 美女と野獣感のある設定の必要性

  • 友人が毒舌である設定が全く生かされない。視聴者が不愉快なだけでは、、?
    特に主人公に対する毒舌がただただ不快で意味不明。ライブの売上は勝手に募金してるし、何がしたいのか、、
    すずに母親の話をしてしまったときに申し訳無さそうにするところで少しは人間味があるのかと思いきや、そんな境遇にいるから一緒にいてあげてるんでしょみたいなことを言い出して、全くもって存在理由がわからない

  • 幼馴染の忍くんの存在。子供の頃にすずを慰めていたのはわかるが、彼自身にその原因があるわけでもなく、高校生になってもその感情を持ち続けるだろうか、? 仮にそれはそうだったとしても、最後にこれからは対等な関係だ、みたいなことを言うが、なぜそんなに偉そうなのか理解できない。

  • すずに大人数の中で素顔を晒せという非情な幼馴染

  • すずが少年たちを救うために1人で東京に行くのをなぜ周りの大人は止めないのか

  • 虐待父がすずの凄みにあっさり負ける
    虐待の解決策が、女子高生の凄みというのはあまりにもストーリーが薄すぎる。

  • 竜がすずに大好きと伝える(その感情を持つまでの経過を見せてなさすぎる)

  • 母親が濁流に一人で入ってしまったことを結果的に美談のように表現してしまっている(濁流に1人飛び込むべきではないし、虐待父が本当にヤバい奴ならすずも殺されてしまってた可能性もある)

  • すずの歌に全員が一致団結して魂の光のようなものを灯すシーンが気に入らない(少し前まで誹謗中傷してたやつがいるなかでそんな都合よく団結すると思う??)

  • 序盤のサマーウォーズ感、終盤の川辺のときかけ感の詰め合わせパックが気に入らない

今作は大きいテーマがいくつかあると思っていて、

  1. すずの成長
  2. インターネット
  3. 美女と野獣

1に関しては、良いか悪いかはさておき、母親の行為とリンクすることですずは母親の死を乗り越えられたというのは伝わってきた。
2に関しては、インターネットをどのようなものだと表現したかったのか全く意味が分からなかった。
ジャスティス = 自炊警察みたいな正義を振りかざして行き過ぎた誹謗中傷する人々を暗示しているんだとは思うが、それが竜とすずにどう関係させたいのかよくわからない。(竜が悪いことする描写がほぼないためどこにも感情移入できない)
3に関しては全くの蛇足で、ただやりたかっただけでは感が拭えない。(竜は容姿を気にしていたようには見えない)

個人的には、細田守作品はおおかみこどもまでは面白かったが、バケモノの子からあまり面白くなくなってしまった。そこの違いは脚本家として奥寺佐渡子がいるかどうかかなと思う。
細田守は演出は好みだけど、脚本があまりにも良くないので次の作品では、脚本家を復帰させたほうがいいと思う。

僕らのウォーゲーム、サマーウォーズ、に続いてのインターネットの話だったので少し期待していたが残念だった。



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