エルダのキャラ設定がめちゃくちゃ上手いなと思う。
この作品には二つの軸がある。一つは「月島の良さを伝える」という軸。もう一つは「巫女小糸と御神体エルダとのハートフル・コメディを展開する」という軸。そして驚くべきは、この二つの要件を「出不精で御神体のエルフ、エルダ」というキャラ設定一つで満たしてしまっていることである。前者は江戸から続く御神体としてのエルダにその説明の役割を担わせることで成功している。一方で後者もまた、エルフエルダの出不精という秀逸な設定があることで成立している。特にこの神様を出不精と捉える発想の転換がとにかくすごい。この設定が神道宗教という歴史的なものと、出不精、エルフといったある種現代的なものとの繋ぎこみの役割を果たしている。そしてこの「エルフの出不精」という設定は、それを解決する小糸との関係性の発展という可能性までも包含している。
まさに設定で成功が約束された作品。