「春を咲かせよう。すべての人に春を」
“四季の代行者”とは——
四季の神々から与えられた特別な力で各地に季節を巡らせる現人神。
人々が当たり前に感じている四季の巡りは、彼らの不断の努力によって保たれている。
しかし春の代行者・花葉雛菊がテロ組織に誘拐され行方不明となってから、
大和国の季節は春だけが消え去ったままだった。
「雛菊様、独りにしないで。お願い帰ってきて」
自らの生活を全てなげうって主を探し続けた春の護衛官・姫鷹さくら。
大切な友人を守れなかった冬の代行者・寒椿狼星と冬の護衛官・寒月凍蝶。
十年の時を経て雛菊が突然の帰還を果たしたことで、止まっていた彼らの物語が動き出す。
様々な想いを抱えながら、雛菊とさくらは春を届ける旅を始める。
「二人で、生きる、の」
二度と手放さないと誓った少女とともに生きるために。
「あの二人は小さな恋をしていたんだ」
引き離された初恋の人に再び会うために。
「私達を傷つける、すべての者達に告ぐ」
誘拐され不条理に奪われた日常を取り戻すために。
雛菊とさくらは歩み続ける。
春を必要とする人のために。
悲しみの淵にいる人に寄り添うために。
何度傷ついても生きようと願う人に、希望を届けるために。
「私は貴方を守る。貴方も私には春をくれる。だから大丈夫、共に参りましょう」