結果的に川上新夜を殺した仇となってしまった凛はこれでは天津景久と自分は同じではないかと自問自答する日々が続く。
場面が変わって、5話で凶は逸刀流を辞めたのに、天津景久にあてがわれた部屋にまだいて天津と親しげな会話をしているのが面白い。
天津は凶が仲間内で一番気に入っているという様子がこれでもかと描写されている。
凶の彼女が天津に嫉妬してるのが可愛い。「気持ちが優れないんなら山に籠って刀振り回すって手もあるんじゃねぇかな」
凶が天津に云う。
「そうだな。妙案かもしれん」
軽くそう返す二人の関係は無限の住人の中でとても爽やかに映る。
凛と万次も時を同じくして万次が凛を鍛えるという。
気持ちが晴れないなら身体を動かすのがいい。いつの時代も変わらない解消法の一つであろうか。
この回は教訓になる話が多い。
後半は凛が水浴びをして少し遠くにいったら宿敵・天津景久が一人で斧を振って修行してる場面に出くわす。
万次さん不在の場面で凛と天津の対峙する場面は原作で読んでいてもテンションが上がる場面だった。
天津は凛を決して斬ろうとしない。
万次は斬れと命令を出しても凛は各々の判断にまかすとまでいっている。
凛に向かって天津は逸刀流の心得、理想を語る。
その後、あいくちを天津は凛に返して好きにしろという。
天津の行動が本当に美しくて理念がある。
お前は逸刀流と同類の剣士だと云われ、凛は泣き崩れる。
戻ってきた凛は寝てる万次に伏せて泣く。万次は黙ってそのままにしておく。
次の1話でラストだが、この回が最終回だとしても良いくらい綺麗に終わっていて、天津の語る言葉の一つ一つに重みがあり、無限の住人という作品の凄みが詰まった素晴らしい回だと感じた。