全12話、ソシャゲ原作で日中合作の1話4分のショートアニメ
平安時代の安倍晴明周りの人間や妖怪の日常を描くショートコメディ
2話までは妖怪の習性を面白おかしく解説する『奇異太郎少年の妖怪絵日記』的なアニメと思いきや…その後は原作キャラがわちゃわちゃしているのを楽しむアニメといった感じ。
【良い点】
1話のだるまの回は面白かった。この世界には意思を持つだるまが存在するらしい。平安京を訪れた2体のだるまは、そこで暮らす者たちに物珍しがられる。人間と妖怪が混在するこの世界でもだるまは異様な存在なんだとなるし、だるまだけcgなのも異様で笑う。平安京で暮らす者達は、手を持たないだるまがどうやって食事をするのか気になって仕方がない。各々考察し、賭け勝負にも発展するが、答えはなんと一方のだるまがスプーンを口に咥えもう一方に食べさせるというものだった。意外性があるし絵面がシュールだ。その後、だるまが中々寝ないからいつ寝るかを観察するくだりがあり、結局最初から寝ていたことが判明する流れもベタながら良かったと思う。
【悪い点】
キャラの性質を知っている上でのギャグが多いくせに、キャラの性質が十分に説明されない。つまり、キャラの性質を前知識として持っている原作ファン向けのアニメ。加えて、エピソードごとにメインキャラが変わるため、アニメ内でどういうキャラなのか理解を深めることもできない。一応、現実に存在する人間や妖怪も出てくるがその性質には触れられず、ただキャラの言動から読み取れる記号的な性格があるのみ。
問題が提示されるが有耶無耶になって終わるパターンが多い。コメディだからこそ成果が得られないことが笑いになるのは分かるのだが、問題の内容がテンポのぎこちなさもあってか分かりにくいため面白くなっていない。
監督がベテラン・アミノテツロということで映像面は期待していたが、レイアウトは普通で、作画もよく動くといったところはない。ショートアニメだと、目を見張るカットがいくつかあるだけで満足度がグンと上がるので、それがないのは残念。
【総合評価】
原作ファン向け。ギャグは弱く、テンポも少しぎこちない部分があった。
評価はとても悪いよりの「悪い」