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全体
普通
映像
良い
キャラクター
普通
ストーリー
良くない
音楽
良い

「正義の反対は、もうひとつの正義」。
番宣で語られた、この聞き覚えのある命題を
本編で作り手はどのように描いたか。
1クール観た印象は、事件の真相究明よりも
官庁の各部署で縄張り争いが繰り広げられ
ヒロインが板挟みで苦悩する場面が多くを占めていたように記憶している。
追及対象である、大企業の若い当主・九条壮馬が語った
「俺の正義」とやらは、組織防衛を合理化する論理であり
大衆の共感を得るのは難しいと感じた。

はたして「ヒーロー」は登場したのか。立場や程度の違いはあれど、
そこに描かれた者の多くは「大人の論理」を語り
弱い立場の者を犠牲にすることをやむなしとする価値観を持ち、
これに理解を示せと後進に迫る者たちの姿であり
彼らは最後まで物語から退場することはなかった。

この企画は原作がスマートフォン向けのゲームで
TVシリーズはそのプロモーションという位置づけらしい。
原作の認知度を高めれば、TVシリーズの制作者は役割を果たしたことになるので
美男美女を登場させて「犯罪捜査もの」らしい映像を形にしさえすればよく
ストーリー面において作家としての誠実さは求められていなかったのだろう。

作画およびコンポーザー、職人は良い仕事をしたと思う。



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