結果とも違う、過程とも違う、抗う態度や姿勢で生き方を、幸せを手繰り寄せる物語
物語にとってのハッピーエンドとは何か、を考えることがある。
この物語は、序盤から漂う終焉感がすでに物悲しく、
結末に起きる出来事もおおよそ想像できそうなものといえるかもしれない。
事態は常に悪化するばかりで、事実だけを並べたなら
ほとんど救われない悲しい物語とも思える。
けれども、そんな最中で彼女らの間に生まれる温かさや安らぎが、
どうしたって、微笑ましく、尊く、愛おしく感じられるのだ。
この物語は起こる出来事や成し遂げた何か、獲得した何かをもって、良しとはしない。
クトリが、ヴィレムが、彼女たちが何を思い、どういう葛藤を経て、意志を表明してきたか、
そこにこの物語の魅力が凝縮されていると、私は思う。
生きたいと願った、一緒にいたいと願った、幸せにしてやりたいと願った、
願ってしまいたくなるほどに、好きなだなと思えた、
それらが喜びと感じられるほどに、好きなだなと思えた、
だからこそ彼女らは抗う態度を示し、行動を起こしてきた。
そういった意志の輝きに、私は魅せられていたのだと思う。
〜だからクトリは、誰が何と言おうと、世界で一番幸せな女の子だ。〜