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とても良い

流星群観測会の夜は雨も雨、大雨だった。そして、心を曇らせた中見だった。きっと、中見はこの流星群観測会を成功させて、それでやっとフツーになれるんだと思っていたんだと思う。観測会の準備の過程でクラスメイトと仲を深めて、最後に本番の観測会を成功させられれば…。

だから、「何か頑張っても、最後にいつもこうなるんだ」という中見の悔しさと虚しさの吐露だったように聞こえた。結局、眠れない憂鬱な夜と同じで、この雨雲が陽を遮る。

そんな時に、不意に曲が「初めて夜に出かけたあの夜から、中見はずっと私の特別なんだよ」と口走っていた。そうやって、中見にとっても同じ様にあの夜から、憂鬱な夜でも雨でも、ふと自分を照らしてくれる曲がいたことを思い出したんだと思う。

そして、中見にとっても、曲にとっても、互いが不安定な心の隙間を埋めてくれることを確かめ合う口づけのように見えていた。



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