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良い

中見と曲が過ごす家に、受川や蟹川たちみんなが集った。中見は星空の写真をすごいと言ってもらって、照れくさくて。そして、みんなで花火して、歌って…、そんな夏の宵は中見にとって、どこか憧れにも似た「フツー」の青春の1ページだったようにも見えていた。

そして、みんなが帰った後、再び二人きりに戻り。そんな時の、おじいさんになったらおばあさんになったらというふとした会話の中、曲は「そんな未来の話、知らない」と寂しそうな表情を浮かべた。それが意味するのは、この青春が永遠に続かないということのように映った。

そして、そんな曲の手を握った中見の心は、そんな儚い青春への共感と共に、だからこそ曲との関係をもうこの曖昧なままにしておきたくないという決意じみたものを抱いていたように感じた。

そんな時に、曲の母親からの「今日すぐに帰ってきなさい」という勧告。やはり、フツーで幸せで曖昧な青春の時というのは、儚いものなのだということを知らしめられた瞬間だった。

だけど、曲は「帰らない」と母親を突っぱねる。そして、中見は「俺に攫われて欲しい」と曲に告げる。「正しくないけれど、二人で始めた旅のゴールに、曲がいてくれないとイヤだ」という中見の言葉や、曲の「迷っちゃおっか」という言葉には、フツーになれない二人が欲しかった「フツー」の青春と同時に、二人だけの特別な青春を象徴しているように聞こえていた。



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