小林が市川と話すのが気に入らない、小林が市川のことを話すのが気に入らない。そんな山田は、好きだからこそ山田から距離を取ろうとする市川の心も知らずに、どんどん距離を近づけ続けているように見えていた。
だけど、どんどん距離を詰めてくる山田に、遂に市川は頭がおかしくなってしまって、それが風邪のお見舞いに来た山田に「お茶でも飲んでいったら」と家に上げてしまったことのように映っていた。
そして、最後にお見舞いの苺ババロアも山田が自分の分を市川にあげていたと小林にバラされてしまって慌てふためく山田だったけれど、山田を遠ざけようとそんなことも聞いてない市川という光景に、なんだか涙を零しながら足をバタバタさせてしまった。
それは、なんだか必死な山田が報われない姿と、どうせ報われないからと素知らぬ顔をする市川が、どうしようもなく近くて遠いからなんだと思う。