そして、今度はさらに過去の話。300年前の最初の勇者の一人・乃木若葉の残した勇者御記という記録に秘められた回想。
それは、かつてこの世界には西暦という時代があったということ。そして、そんな中に突如バーテックスが現れて、人類は四国に逃げ込むことになったということが記されていた。
そこに思うのは、大赦は外の世界という物理的な秘密だけではなく、時代という人類の記憶や魂といったものまで覆い隠していたということへの不信感だった。
そして、そんな大赦は「勇者」たちに命を賭してバーテックスから街を守らせる。さらに、その果てに、乃木若葉を「復讐のため」と仲間の死に涙も流さないような人間にしてしまったことは、人類に対する神の罪のようにしか思うことができなかった。