アニメオタクには義務と言われるので見てみました。
結論、とても面白かったです。私は「君の名は」を見ましたので、ちょっとファンタジーな要素があるのかと期待していましたが、ファンタジー要素は特になく、この作品は小説なんだということに気づきました。
一言で感想を表すとしたら「男ってバカだよな」です。
心理学的に男は過去、女は未来。男は理想、女は現実ってよく言われると思いますがまさにそれを表した作品だと思います。
3部作を1本にまとめた作品ですが、1部では青年の初恋、2部では囚われた心、3部では儚い現実が描かれているという印象を持ちました。
特に私が印象的だったのは2部で、2部ってパッと見意味がわかりづらいなーと思うんですが都会の男の子と田舎の女の子って世間的に成長速度が全然違うと思いますし、都会で恋を知って漠然と目標を持つ男の子に惹かれる女の子という構図は1部と3部を繋ぐのに非常に大事であると思いました。
その結果、3部では過去をずっと追いかけた主人公が儚い現実に負けたという事がわかるんですよね。
1部でもその傾向が非常によく出ていて、少年は過去の事として初恋の子をずっと話していて、永遠がわかったとか理想的な話をしていることがわかりますが、女の子はそんなことを引っ張っていないんですよね。2部でも女の子は今の事に集中しているところも、あえて主人公の未練を引き立てているのがすごく象徴的です。
1部なんて雪で離れ離れになった女の子と会うのにめちゃめちゃ時間がかかってしまうんですが、あれは世の中の厳しさをうまく抽象的に表現しているいい例だと思います。好きな子に1回きり会いに行くためですが、そういう時に限って都合の悪いことばかり起きて会える時間が短くなってしまったなんてことは割とよくある話で、でもとてもロマンチックなんですよね。好きな子に少ないお小遣いで会いに行って、小屋で一晩を明かし、早朝の電車で帰っていますから。
そんなことを若いうちに体験してしまっては夢見がちにもなるのは仕方ないとも思えるよう見せられているわけです。
最後の最後のシーンも男の見目見がちな理想論的な妄想がよく描かれている部分です。はっきり言えば、普通の恋愛ドラマ・映画・アニメ・漫画ではあそこは女の子がいるのが当然です。その方がドラマチックで感動的だからです。でも、いない。これがこの映画の伝えたい事というのがはっきりわかります。
ここまでの感想は古(いにしえ)の作品ですし、いろんな方が考察も、感想をまとめてもいらっしゃると思いますので私だけの感想ではないと思いますが、1時間程度で見れますし、いっつも見ているアニメの恋愛に飽きたら見るのがいいと思います。
ー以上ー