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全体
とても良い
映像
良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
良い

劇ス🍅→スタァライト見た矢先に某歌劇団をモチーフにしたアニメ始まったら見るしか無いじゃん!!
比較対象が全部スタァライトになっちゃうのを前提とした感想になることを了承したうえで。

最初、主人公である奈良田愛さんのあまりの歌劇に対する『熱意の薄さ』に驚いた。
入学した理由が「(唯一心を開いている従兄弟が働いている、)女性しか居ない環境に身を置きたかったから」だし、主人公はかけ離れたような適当さだし、ツイン主人公の相方(というよりヒロイン?)である渡辺さらささんに対する対応の悪さと言い、なんだこのキャラは!?という。
演劇って基本的に生きる上で「やらなくてもいい」モノだから、それをやっている人間はそれに対して何らかの熱意が在って然るべきなんだよな。(創作ではキャラクターの根幹的な動機でもあるからこそ特に。)でもこの作品の主人公は違った。
流石に多くを語るのは野暮なのでこの程度に留めるが、主人公の奈良田愛さんだけでなく、回を追う毎に明かされていく各キャラクターのそれぞれが持つ「理由」と「過去」の説得力が非常に魅力的で面白い。
また、歌劇という設定であるが故に生じる役の枠の取り合い。学内だけに留まらない上下関係。そして実力と才能。そういった差を感じながらも、「演劇」という皆で成り立たせるモノのために、時には励まし合い、時には鎬を削る。もしかしてこれが…キラメキ…???

舞台劇を演じる劇団を舞台にしてはいるものの、所謂「劇中劇」としては作品の暗喩を重ねたオリジナルの脚本などではなく、「ロミオとジュリエット」や「ベルサイユのばら」といった本当に存在する有名な作品を幾つも登場させている。
そのため、「演劇」を扱う創作作品にしては珍しく、「劇中劇」などに対するキャラクターや境遇の重ね合わせといったものはあまり見受けられない。変な必然性がなく、どちらかというと現実に即したような形と言うべきか。
(勿論、物語内で触れる以上、「その作品がどういった話の大筋か」、「登場人物はどういった人間か」等を知っておくとより楽しめることは言うまでもないだろう)

視点を変える。このアニメのスタッフもすごい。
まず音楽(+ED)は斉藤恒芳さん。アニメや映画などの曲も担当しておられる方だが、なにより本丸の「宝塚歌劇団」の舞台でも多くの曲を担当している。
また、主役の紅華音楽学校の面々は別として、学外の歌劇団の団員トップスターの面々や、専科と呼ばれるサポート集団の面々や、主役の家族といった方々の声が軒並み良い!!!なんと半分くらいは元々宝塚や他の劇団に所属しておられた劇団員の方々。いや…普通にすごいな……マジで良い声なのでこれ聞くだけでも価値あるで……。宝塚歌劇団→声優への転向って昨今はよくある感じなのかな?
劇中では紅華歌劇団のトップ役や元歌劇団OBとしてちょい役の方が多いんだけど、「ウゥワ声が良ッ!!?」となるので……

ちなみにアテクシはこのアニメを見てから実際に宝塚に見に行きました…。
ステージの上にいる人だけじゃなくて、舞台創造科(スタァライト)の方や主役になれなかった何人もの方々(かげきしょうじょ!)の文脈を理解できるようになってしまって舞台演劇を見る目がね……変わっちゃうよね……。

原作読んでないのでアニオリかはわからないけど、終わり方もそれなりにキリの良いところで締めてたし、メインの各キャラクターの掘り下げ方も良かった。良いアニメだった~



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