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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

#アイカツ10thレポ 2023/01/28
※ ネタバレ解禁されたらしいので普通に思ったこと全部書いてます。

アイカツのアニメ本編は20話くらいまでしか見ていないにも関わらず、『卒業』を題材にしているということと、映画館で見れるうちに見ておかないとという気持ちで勢いのままに見に来た……

アイカツ知識がほぼ無いので冗談抜きでソレイユの面々と有栖川おとめさんと藤堂ユリカさんと先生くらいしか分からんかった。
数多出てきた登場キャラクター達のうち8割位誰か分かってないまま見てた。
ていうか校長先生と星宮家の母って旧知の仲やったんかいという唐突なネタバレを食らった。

劇場版少女歌劇レヴュースタァライトとかいう意味不明コンテンツに人生を狂わされた人間としては『卒業』『離別』『未来』みたいな話を見るだけで文脈を感じてしまいそうになる。
劇スと比べてアイカツが異なっていたのは、過去に囚われたままではなく、決別をするわけでもなく、全てを自分の経験と認めて進もうとしている所だと思った。
けどさぁ!!
紫吹蘭さんは次の舞台へ行ったり、神崎美月さんがロンドン行ったり、おいおいおいおいとなってしまったよ

『卒業ライブをやろう!』となって、トントン拍子に話が進んでいって、「えっ、えっ!?!ここそんな端折っていいの!?!ココだけで映画一本出来るくらい濃密な物語あるんじゃないの!?!!」と混乱しつつも、「もしかして…そういう大きな出来事をあっさりと1つのイベントとして消化するのがこの芸能人の波乱のようなアイカツという作品なのか……?卒業ライブはさして重要ではなくて、"その先の未来"を描くということ…?」と納得しようとしたりしていたが……最後の方観ててそうきたかァ〜〜〜!となったね……
ライブドーン!エピローグで「みんなそうなったのか~」じゃなくて、エピローグを先に見せておいて最後にライブドーン!!!!じゃあな!!!完!!で全て終わらせて映画を最強にしちゃってた……
上手いね……展開力だね……

22歳!?!!??星宮いちごさんと紫吹蘭さんが同棲しておられる!!!?!!!ワインで酔って絡み上戸になる藤堂エリカ様!!?!????!
↑あの10分くらい、完全にオタク狂わせパートだった……

オタクのキャラ萌え狂いを抜きにしても、仕事がある大人の生活になってなお"晩御飯のメニューが鍋"というだけですぐに呼んで皆で集合してお酒を飲んで話の尽きない交友関係があるあの空間は本当に幸せな空間そのもので、現実にいながらにして憧れを抱いてしまうようだった。
知人と家で宅飲みをしたくなった。

『仕事の話はしない!』っていうのは、スターライト学園で当時から芸能活動とリアルの生活の両面に触れていたからこそ、仕事/プライベートという境界が存在しないことを示唆しているのかもしれないなと初見の自分には感じられた。
勿論、野暮ったい現実の話で水を差されるのが嫌というのもあるかもしれないし、芸能活動とかだとコンプラ周りが厳しいので迂闊なことを言えないという側面もあったのかと思われる。
…が、そういう意味も踏まえた上で、酔ったあの状態から未成年を窘めるようにその何重もの含蓄ある言葉が出てくるのは良い人、良い世界だなと思う。

最後の途轍も無い文脈を載せた破壊力のあるライブには、直前のソレイユの台詞があるだけではなく、これまでの展開と重ね合わせた歌詞から生み出される超良い曲がその一助となっていることについても(言うまでも無いが)言及しておく。
というか!!あれ1回最初にOPで流れてきてさあ、「あっいい曲だけどテーマソングだからOPで使っちゃうんだな〜確かにアイカツっぽさあるしなるほど〜良い曲〜なんか随所にオマージュが見られるな…」と思ってなんの気なく見てたけど、最後にこれまでの映画の流れを踏まえてもう一回聞くと歌詞が!!歌詞がやべえだろ!!それはさあ!!1回OPで歌詞を見とるから!!!歌詞がスムーズに入ってくるんよ!!
あの見せ方天才的でしたね……パワーがちげぇわ……

この感想を書いている時点ではアイカツというコンテンツについての知識は『映画公開記念「3分で分かるアイカツ!」』の動画を見ているので完全に理解できているのだが、世代交代があることで、"ヒカリ"が受け継がれて続いていくというところに主題があると認識している。
そんな作品ではあるが、見ている方の視聴者は成長して、大人になっていく。
この映画は、過去からアイカツというコンテンツを追いかけてきた少年少女(…あるいはアイカツおじさん)、そんな人達に対しても、卒業することを促すかのような作品なのかなと感じた。

『卒業』というと、もうその存在は過去に置き去りにして、仕舞い込んで、記憶の奥で埃を被る、かのような印象を受けるが、この映画で描かれていたように、それは皆が歩んできた道程の1つであるという証を刻むということなんだと。
歩んできた道程を振り返った時に、過去に向けて成長した現在から、現在には先の未来で成長した自分から、自分の歩んできた証で繋がっているという事実こそが重要なのだと。
そして、成長した未来で、また新しい一歩を始めることが大事なのだと。

アップデートが無限に可能なソーシャルゲームや、過去に流行したカルチャーをリバイバルするなど、終わらないコンテンツの多い昨今の時代においては、コンテンツの終わりまでを綺麗な形で描かれるということは、1つの呪縛からの解放なのかもしれない。

よく考えたらこれ実質スタァライトでは???????列車は必ず次の駅へ行ってしまうやつでは!???!星宮いちごさんも次の舞台へ!???

これは本当に書くか悩んだけど戒めとして書かせてもらうが。本編エアプで曲だけはそこそこ知っている人間なので、映画を見ながら曲が流れる際に、どうしても「本来はあの曲を使えるはずだったのかな…」などと田中さんのことが頭によぎってしまい、本当にコンテンツに与える影響というものは計り知れないなということを身に沁みて感じた。
文脈性を加味して評価を行う人間・コンテンツでは特にある要素から拾い上げる要素のタグ付けから派生するネットワークと思考が広いほどアンダーイメージが広がってダメージが大きくなる。



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