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全体
良い
映像
良い
キャラクター
普通
ストーリー
普通
音楽
良い

原作既読なので、どうしても比較しながらの鑑賞になってしまってます。すみません。
まず、原作の持つワクワク感がそのまま再現されてる!異星の生命体の根源的な知への欲求、AIと死の概念など、SFマインドは映画でも健在でした。科学技術考証は(オーバーテクノロジー部分は考証のしようがないのでスルーするとして)ちょいと気になる点はありましたが、しきしまさんのデザインがとてもかっこよかったのでヨシ!
団地が取り壊されるという映画独自の設定、時代設定を原作より少し先にしたのはすごくよかった。ムビチケ特典のカレンダーの年代は、ちょうど親世代の物語(映画では「今」2022年になっているのがよい)から子供たちの物語への待ち時間を感じさせてすごくエモい。このカレンダーを箱にしまってその時まで取っておけ! 阿佐ヶ谷駅周辺がすごいことになっているw
キャラデザ、最初はあまりタイプではないなあと思っていたんですが、動いてみると花香がかわいい!そしてナナコが本当に健気でかわいくて、声のイメージもぴったりで、人間以上に人間らしいキャラクターとして描かれていてよかったです。彼女ならきっと人類代表としてやっていける。
ただ、これはすごく個人的な話なのですが、原作で自分の好きな部分がどうしても尺の都合かカットされがちで、そこはちょっと個人的に残念でした。特に主人公の親達の物語パート、そしてラストシーン。あー、そこを切ったかーっていう。
観ながら最初に思ったのが「2時間の詰め込むの大変だったんだろうな…!」ということ。尺に収めようとするあまり、心の機微の描写が抜けがちなのが惜しい。この話、わりと子供特有の残酷さや身勝手さを赤裸々に描く作品で、原作ではそれを親世代の物語や細かいエピソードでフォローする構図だったのですが、映画は後者の比重が相対的に減ってしまい、話の展開や感情曲線の回収に若干唐突感が出てしまったかも。というわけで映画だけ見た方はぜひ原作も読んで補完していただければ!
あと親世代の物語の描写はもう少しほしかった!映画化するにあたってジュブナイルに大きく舵を切ったように見えましたが、原作はアフタヌーン誌連載、舞台がノスタルジックな団地ということもあり、大人パートを手厚くして大人向けに売り出すと意外と化けたのかも。親世代の約束を子供に託すというだけでなくて、屋上からの落下事件のフォローとか、大人としていろいろなものに折り合いをつけながら生きていく部分、親としての立場で子供たちを諫める気持ち(ストーリー的には障害となる部分)が原作において物語に深みを与える部分だと思うので。子供たち(特にあの主人公)だけだとどうしても突っ走っちゃうからね。でもあの勢いが良かったのかもという気もしてます。
もちろん、これはすごく特殊な感想であって(SF部分より大人ドラマ部分が刺さってた変な人間なので)、SFジュブナイルを期待する人であれば素直に楽しめると思いますので、原作とともにぜひ! 科学に夢中だった子供の頃を思い出させてくれる素敵なジュブナイルでした!



全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

原作既読かつ原作ファンです。初見は君→僕の順番で、2回目は逆順で鑑賞。どうしても原作との対比が中心になってしまいますがすみません。

<僕愛・君愛共通感想>
・すごく良い映像化だった!鑑賞前の不安が吹き飛んだ。原作の世界観もコンセプトも壊すことなくこんなに美しい映像にしてくれてひたすらありがとうございますという気持ちが止まらない。
・もちろん原作と違う部分は多々あるんだけど、少しIPが離れた別の並行世界のお話なんだと自然に思える。紛れもなく僕愛君愛の同じ作品世界の中にある話だと思える。
・こういう作品ってたいていSF部分を薄めた映像化がされることが多いのだけど、この作品はまったく容赦なくガチSFを生のまま前面に出してきてて、一部のSF設定はむしろ詳しくなってたりして、ちょっとすごいなと思った。もっとも本作は2作あるという構造自体を利用したSFでもあるので、そのコンセプトを生かして2作同時公開にした時点でSF度が高くなるのは必然ではある。映画『HELLO WORLD』並のSF強度だけど、SF設定スルーしても十分に楽しめるというところもよく似ていると思う。ただしこのスルー力は一般の方には必要かもしれず、拒否反応を示す方もいるだろうという気はするけど、自分はこのくらいのバランスが好きだ。
・2作同時だと観る方は4000円と5時間近くを拘束されるわけで、見るハードルはかなり高い作品。よくこのチャレンジングな企画を通して、ちゃんと作りきったなと。そこに敬意を表したいです。
・とはいえ尺の都合で、原作の記述がないとわかりにくい部分はどうしてもあるので、原作読んでから鑑賞するのがベストだと思う。
・いずれにしろ観るなら絶対2作とも観てほしいし、どちらから観ようか悩む時間、鑑賞後に逆順で観たらどうだっただろうとしばし思い巡らせる時間、それらが本当に楽しかった。大変素敵な映像化をありがとうございました。

<君愛感想>
・君愛は『HELLO WORLD』でいうとB世界+アナザーに相当する話だと思うので、自分に刺さらないわけがない。
・初見時リップシンクが合ってないのがちょっと気になったけど2回目は合ってるように思えたので、もしかして館によるのだろうか…?
・NIKEの靴が君愛世界の良いマーカーになっている。
・栞の声の人の演技がとてもよかった。幽霊だけど悲壮感がなくてむしろ暦を支えるところもあり。逃避行のあたりの映像も。二人とももっと事前によく調べろよというのはそれはそうなんだけど、あれが若さ故のあやまちってことなんだと思う。
・「過干渉領域」「虚質のもつれ」は映画オリジナル概念(すげー)かな。「並行世界の栞の幽霊が鳩のエピソードを覚えている」=虚質のもつれにより栞も一緒にパラレル・シフトしている、という設定はなるほどと思った。
・原作ではそこかしこから漏れ出ていた「和音の想い」が映画ではかなりあっさりしたものになってたなという感じ。でもユノのエピソードのとき、和音が見てたんですね…。
・誰かのために死ぬ気で勉強するというモチーフ、好きですね。日高暦は狂ってるけど、それに添い遂げた和音はもっと狂っていてそれがとても良かった。あとこの手のやつはセカイに迷惑をかける系が多いけどこの二人はほとんど迷惑かけてないのがすごい。
・和音の出退勤記録がだいたい午前様で草
・ギネスビールとタイアップしてほしかったw
・「タイム・シフト」の着想部分も良い描き方だった。変に虚質空間のイメージ映像とかを入れずに言葉だけで押し通したのは正解だったと思う
・映像の「相互乗り入れ」部分はやや導入が唐突かつ長過ぎだったかなという気はした。片方だけ見た人用の配慮なのかもしれないけど、特に僕愛から観た人にとっては「もう観たよ」になりがち(文章だと効果的だけど映像だと難しい)。もちろん、完全なコピペではなく僕愛の主人公視点の部分はうまく削られていて、細かい配慮がなされていたと思うけど、青年期はともかく幼少時のエピソードはほぼまるまるなので、もっと短いほうがバランス的に良い気がした。あと、単体で答え合わせができてしまうのは2作観る意味が薄れるので個人的にはちょっと残念。でも入れた意義は理解する。
・老人の暦の顔つき、明らかに僕愛より険しい感じになってて苦労を感じさせるんですよね。
・栞と会わない世界を目指したのに、最後に情にほだされて再会の約束してしまうあたり、良いと思う。
・『紫苑』、暦当て書きのような歌詞でとてもよい。紫苑の花言葉は「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人を思う」だとのこと。
・EDの映像、エヴァTV版EDのオマージュだと確信してる。この作品の着想のひとつがエヴァTV版第拾六話だし。アインズヴァッハの海の色が完全にL.C.L.で、こういうところにも原作リスペクトを感じて泣けた。
・ED後のシーン、蛇足という声も見たけど自分は良かった。後味の問題もあるし、端末がERRORになった理由を考えるうえでもヒントになる気がしたから。それにしても僕愛世界は交差点がAR化されているのに君愛世界は旧態依然としているのは面白いな。
・君愛から観た方がたしかに「わかりやすい」「後味がよい」のは同意。ただ、僕愛から観たとしてもそれほどわかりにくいわけではないし、むしろピースが嵌まる感じ、エモさは強まるはず。ミステリ・考察好き、余韻を楽しみたい勢、2周目確実に観る勢であれば僕愛からという選択肢はアリで、その場合きっとすべてを知ったうえでもう一度僕愛を観たくなるはず。
・どうか、君愛の和音に幸せがあるように。

僕愛感想:https://annict.com/@alltale2037/records/4344438



全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

原作既読かつ原作ファンです。初見は君→僕の順番で、2回目は逆順で鑑賞。どうしても原作との対比が中心になってしまいますがすみません。

<僕愛・君愛共通感想>
・すごく良い映像化だった!鑑賞前の不安が吹き飛んだ。原作の世界観もコンセプトも壊すことなくこんなに美しい映像にしてくれてひたすらありがとうございますという気持ちが止まらない。
・もちろん原作と違う部分は多々あるんだけど、少しIPが離れた別の並行世界のお話なんだと自然に思える。紛れもなく僕愛君愛の同じ作品世界の中にある話だと思える。
・こういう作品ってたいていSF部分を薄めた映像化がされることが多いのだけど、この作品はまったく容赦なくガチSFを生のまま前面に出してきてて、一部のSF設定はむしろ詳しくなってたりして、ちょっとすごいなと思った。もっとも本作は2作あるという構造自体を利用したSFでもあるので、そのコンセプトを生かして2作同時公開にした時点でSF度が高くなるのは必然ではある。映画『HELLO WORLD』並のSF強度だけど、SF設定スルーしても十分に楽しめるというところもよく似ていると思う。ただしこのスルー力は一般の方には必要かもしれず、拒否反応を示す方もいるだろうという気はするけど、自分はこのくらいのバランスが好きだ。
・2作同時だと観る方は4000円と5時間近くを拘束されるわけで、見るハードルはかなり高い作品。よくこのチャレンジングな企画を通して、ちゃんと作りきったなと。そこに敬意を表したいです。
・とはいえ尺の都合で、原作の記述がないとわかりにくい部分はどうしてもあるので、原作読んでから鑑賞するのがベストだと思う。
・いずれにしろ観るなら絶対2作とも観てほしいし、どちらから観ようか悩む時間、鑑賞後に逆順で観たらどうだっただろうとしばし思い巡らせる時間、それらが本当に楽しかった。大変素敵な映像化をありがとうございました。

<僕愛感想>
・僕愛は『HELLO WORLD』でいうとA世界+新世界に相当する話だと思うので、自分に刺さらないわけがない。
・観た後の多幸感が半端ない。良い作品をありがとうという気持ちとごちゃまぜになって、ひたすら僕愛君愛含めてすべての世界を愛したくなるからすごい。
・全体的に構図、絵コンテがすごく凝ってるなという印象。特にカラオケのシーン、意図的に鏡を多用してイマジナリーラインと視線の向きを意図的に混乱させる手法、作画大変だろうに映像力学的にめちゃくちゃ面白かった。鏡を使うことで暦と和音の表情がどちらも見えたり、フレーム内に複数の和音が映っていたり、並行世界を意識させるような絵作りだった。
・85の世界から来たというのが本当に狂言だったのか、それとも実は本当にそうだったのではないか、みたいな余地を残した描き方、よかった。たぶん狂言なんだけど、でもちょっと本当にシフトしてたらよいなっていう。
・高校時代の描写、モブの生徒達も含めて本当に楽しそうで、君愛との対比が余計に心に刺さる。結婚までのオリジナルエピソード(数式シャツ、夜景など)も良かったと思う。
・結婚前の「自分はどの和音と結婚するのだろう」という悩みについては、原作でかなりページを割いて説明されていたけど、映画ではかなりあっさりしている感じはした。原作未読だと「すべての君を愛する」というタイトルが若干唐突に感じられたかも。特に結婚式でIP端末外してるのにまだ悩んでいるのはちょっと謎だったw
・通り魔事件の話、原作の特殊設定ミステリからひとひねり減らしてきたけど、確かに映画のバランス的にはアリだと思う。初詣じゃなくなったのは現実の神社に配慮してなのかな。涼が「お母さんはどこ?」と言ったのはなかなか酷だなあと(でも話としてはアリ)。フライングヒューマノイドはちょっと怖かったw
・「同一性の拡散」という映画オリジナル概念、これ実はすごく鋭い指摘なのでは。シフト先で過ごせば過ごすほどどんどん分岐してしまうし、じゃあ分岐したからといってIPは増える一方なのか、一意に決まるのかとか(IPは1次元ではないのではというsshさんの指摘に同意)、戻り先が複数になるのはいいのかとか。厳密にいうと絶対にゼロ世界には戻れないわけで、IP端末がゼロを指すことはありえないのでは、人はずっと違うIPを遍歴していくのではという気はした。
・映像の「相互乗り入れ」部分は君愛よりも巧いなと思った。長さも適当だしうまく回想シーンと絡めることで唐突感は薄かったと思う。ただ、単体で答え合わせができてしまうのは2作観る意味が薄れるので個人的にはちょっと残念。でも入れた意義は理解する。
・『雲を恋う』、日常のささやかな幸せを描いていてとても良かった。「あれるままであるように」というフレーズが、原作の「僕がこんな人間であれたのは」と呼応していて美しい。
・老人の暦の演技がとてもよかった。こんな歳の重ね方をできたらなあ(無理)。
・予告を観て一番気になっていた改変箇所、和音の手紙シーン。IP端末にスケジュールを入力したのも映画では和音になっているんですよね。見る前は「君愛和音は僕愛和音に嫉妬してもおかしくないのにどんな気持ちで手紙を書くのか」とか「僕愛和音も並行世界の夫が別の女の子と相思相愛と聞かされたらどう思うのか」とかすごく心配していたんだけど、そこはどちらの和音さんも大人でした。原作と違い、君愛暦が「方便」で栞と約束したのを和音が成就させる、これはこれでとても美しい物語になっていたと思う。手紙で答え合わせしてしまうのは若干興醒めではあったけど、確実に話がわかりやすくなるので、上手いなと思った。僕愛の和音はずっとあの手紙を抱えて生きていくのだろう。
・幸せに生きた栞の物語に思いを馳せたくなる終わり方でした。

君愛感想:https://annict.com/@alltale2037/records/4344439
なぜIP端末はERRORになったのか:https://fusetter.com/tw/9XRQMud3#all



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