初回から一貫して、キャラクターの些細な感情を表現するアニメーションや自然を中心とした背景美術が素晴らしい。また、ただ宝石が欲しいだけのクソガキ主人公に対し、問いかけ、教え、新たな興味を示し、導いていく凪と瑠璃の師弟関係、好きを通じて友情を深めていく瑠璃と瀬戸、進路に悩む瑠璃・瀬戸の道標になりつつ自らも未来を模索する凪・伊万里と、キャラクターの成長や関係性の描写も非常に良い。もちろん、まったくの初心者の興味をくすぐるような鉱石を絡めた物語も面白いもので、スタジオバインドらしい音楽の選定とそれを絡めた演出の巧みさもあり、総合的に申し分のない映像作品だった。
当初はテーマのマイナーさや原作人気の弱さもあって注目も少なかったが、始まってすぐにその質の高さから着実に注目を集め続け、終わってみればトップレベルの評価と人気を得たのではないだろうか。