一期の伏線が色々と回収されるかと思いきや、経緯自体は語られるものの、特に納得のいくものではないままするっと進行してしまった。とにかく主人公たちを苦しめるために雑に作られた納得感の薄い設定が急にぶち込まれてくるように感じることが多く、主人公たちのドラマにどうしても茶番感が漂ってしまう。
大赦が初期の満開システムをあの形で作り、それを黙ったまま実行させるのは納得しにくいし、それが問題だったからといってすぐに取り下げて供物も戻し、システムも犠牲の伴わない形に簡単に作り変えてくるのも納得しにくい。それが出来るなら最初からそうすれば良かったのでは?何かしら神樹のリソースに限りがあるために已む無く供物が必要だったと理解していたのだが、それならあのようにあっさり取り下げるのは意味がわからない。じゃあ神樹は特にリソースに問題もないのかと思いきや、結局は神樹の寿命が近いとか急に言い出して神婚が推し進められる。それに伴って神婚で人類が全員神の眷属になって助かるとかいうエヴァ並の超展開が開陳されるが、それならここまで膨大な数の勇者を犠牲にする前にもっと昔にやっておけばよかったのでは?大赦と神樹の動きがめちゃくちゃすぎて、脚本が適当なのか神樹と大赦が無能な設定なのか、そっちばかりが気になってしまう。
熱い展開で突破するのが持ち味の作家だとは思うが、この謎展開の後に急に超パワーアップして勇者パンチ一発で解決されても、あっけに取られるだけで感慨も何もない。神樹自身が満開で友奈に力を与えて散華したのかわからないが、これもじゃあ最初からやれよという気しかしてこない。少女たちを苦しませ、葛藤させ、最後に熱く打ち破る、という展開がやりたくて、そのために雑に設定を振り回しているように感じて没入することが難しかった。
神樹と大赦側に何か事情があるのなら描かないと納得感が薄いし、描かないならもっと無理のない展開にするべきだと思う。これなら一期で終わりでよかったのでは…?