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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

原作未読、夜は短し歩けよ乙女視聴後。テーマは異なるが、モチーフとしては同じく京都大学での大学生活を扱ったものになっている。こちらは1話毎に異なるサークルに参加した並行世界を描写した構成を取っており、序盤はそれが物語をうまく駆動している。ただ、中盤以降の三択はかなり冗長な描写になっており、TVシリーズ化の構成で苦慮、妥協した点ではないだろうか。リアルタイムで見る分にはさして気にはならないと思うが、一気に視聴する場合はくどく感じたのは惜しい点。

キャラクターは申し分なく魅力的で、特に主人公と小津は捻くれた京大生の描き方としてなかなかに素晴らしい。どの並行世界も新一回生が夢想するような輝かしいキャンパスライフでは決してないのだが、ステレオタイプの理想を外してみればどれも奇妙に魅力的で、記憶に焼き付く忘れ難い学生生活なのだ。閉鎖された四畳半を通じ、世界が変わらず豊かさを湛えていたこと、何より小津が得難い友であったことに気づく展開は、この年頃の内向的な学生に訪れるブレークスルーを上手く描いている。明石さんは、この作者の女性に対する距離感を反映してか、若干描写が薄く舞台装置的なのが惜しまれる。

ループ的な並行世界でありながら、世界は(四畳半を通じて?)互いに影響し合っており、あちこちにその断片が見え隠れする構成もこの世界の奇妙さを演出して興味を引いた。最終的には四畳半引きこもり世界が物語の正規ルートになったのだろうか、それともサークル参加は全て夢想であり、結局は四畳半で引きこもっていただけだったのだろうか?
夜は短し…と同じく同時代に同じ場所で紆余曲折の学生生活を送った私からするとこの歳になってすら記憶を刺激して共感させられるところが多く、ストーリーの評価を一段上げさせられた。

アニメーションはどこか化物語を思わせるような実写混じりでデフォルメを多用した独特の描写で、この不思議な世界をうまく描いている。



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