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とても良い

ヴァイオレットの成長が、一歩一歩とても丁寧に描かれていた。今回のもう一人の主役、後悔の念に苛まれ自らを責め酒に溺れる兄と、それを見守る妹の話には涙ぐんでしまった。

30分という短い中で、主人公の成長物語に加え、端役のストーリー・背景までキッチリと作り込まれており、この作品のクオリティには脱帽するしかない。

ところで、この作品、ヴァイオレットを通じて、特定のアスペルガー症候群の人から見た世界をとても緻密に描かれているように感じられる。ヴァイオレットを見ていると『感情の輪郭(カタチ)』を正確に把握・理解し、自分のものへと咀嚼していく過程を追体験しているかのような感覚さえ覚える。
ヴァイオレットの言動に妙な破綻も感じられないことから、原作者からこの作品のスタッフに至るまで、ヴァイオレットという登場人物の内面に対して理解のある人達が集まっているのだなぁと、そんなことを思った。

繰り返しになるのだけれど、この作品は、映像はいわずもがな、登場人物の内面描写がとても良い。各回つくり手が伝えたいと思ったであろうことがクリアに伝わってくる。

タイトルの『自動手記人形』が『送り主のココロを伝えることを仕事とする人』であるとするなら、この作品を制作された原作者・スタッフもまた『自動手記人形』と言えるのではないだろうか。



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