引きこもりエルフや異世界(からの)召喚といった流行りの要素を取り揃えつつ、歴史蘊蓄と実在のロケーションに根差した設定で格調を備える伝奇ものとしてしっかり地固めされている。長い年月の間に変化していく町と、日々を謳歌する少女たちの刹那を見守る不老のエルダの優しくも臆病でどこか諦念が滲む視線、巫女と御神体が互いを補い、時にその淋しさを埋め合える関係である温かさはこれぞ下町人情。ゼロ年代にアイドル声優としてばりばり活躍していた面子が声をあてるエルフたちに、気鋭の声優陣が巫女として1対1で就く——その図式に作品テーマがオーバーラップする。