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感想を書くのが非常に難しい作品。
かわいい♡かわいい♡と脳死百合モードで観ると情緒が壊れる一方で、どこか既視感のある計算高さに鼻を鳴らす、心の中の豚も確かに存在する。

ベースシナリオは『竹取物語』を現代SFに魔改造したもの。平成のオタクが作った平成のオタクのための老人会であり、そこにネトフリの資金力が注ぎ込まれた結果、表現としては極めて暴力的。物語構成はよく練られており、キャラクターの魅力、映像美、音楽性など、あらゆる面でクオリティは非常に高い。生粋の豚である私も、かぐや×彩葉で既に満腹なところへ、芦花が彩葉に向ける「特別な感情」という公式設定を後から知り、狂わされる。

それでも、どこか好きになりきれない。
理由の一端として、自分がボカロ畑で育っていないという背景はあるかもしれないが、それ以上に「現代アニメの作り方」そのものが合っていない可能性を感じる。

本作はSFセカイ系の文脈に、考察要素や周辺コンテンツ(YouTube、ファンブック、ノベライズ等)を消費することで補完される世界観、過去アニメへのオマージュなど、掘り下げ要素を随所に散りばめている。一方で、視聴を途切れさせないために、現代アニメ特有の面倒な人間関係や努力・葛藤の過程といった“不快になりうる要素”を徹底的に排除し、ヌルヌル動くアニメーションと、音楽で言えばサビに相当する気持ちよさだけを何度も叩きつけてくる構成になっている。
その結果、「なんか違うんだよな……」という、厄介な自分が顔を出す。

VR世界での戦闘シーンは純粋にすごいとは思う。しかし、面白さという意味では正直ゼロ。そこは私の求めているものではない。不快要素をもっと深く描いてほしかった。

総じて、物語を構成する設定や舞台装置は非常によく出来ている。ただし、商業的に「魅せにいく」部分で大きく減点してしまった。
おそらく2〜3回観ることで評価が変わり、深みが増していくタイプの作品だと思う。もう一度観たうえで、追記したい。



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