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全体
良い
映像
とても良い
キャラクター
良い
ストーリー
普通
音楽
良い

宮﨑駿監督の自伝的映画。つまりストーリーは今まで以上に支離滅裂である。あのガラスのドームが零戦の風防だとひと目で分かる人がどれだけいただろうか。そんな映画に「君たちはどう生きるか」と銘打つのが、エゴが感じられて良い。
「風立ちぬ」が特別だっただけで、「千と千尋の神隠し」以降の宮﨑駿作品に一貫した大筋なんてものはほとんどなく、彼の脳内にある情景を映像にしまくっただけ、という構成のものしかない。その中でこの「君たちはどう生きるか」の映像こそ、宮﨑駿の脳内に最も近いという位置づけとなる。したがってこの映画に過去の宮﨑作品群のデジャヴのようなシーンが多かったのは気のせいではない。告示シーンをリストアップするのもまた、宮﨑駿ファンにとっては楽しい作業となるだろう。
映像は素晴らしかった。特に序盤の火災シーンは、ああいった状況で景色がどう見えるのかを非常によく描き出しており、他アニメでは見られない。宮﨑駿というアニメーター出身の監督には「感覚の映像化」という才能がずば抜けている。



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