「これで全部よ」
つばさキャットといいつつSTAPLE STABLEで始まり戦場ヶ原とのデート回。前半では父親の真後ろで好き放題する戦場ヶ原の恐るべき度胸が見られる。
自分を愛していない阿良々木は「一人で助かっただけ」と忍野の言葉を引用する訳だが、「必要なときにそこにいてくれた」事が重要なのだと戦場ヶ原の父は言う。忍野はドラえもんの様に万能っぽくても思想としてはこうして相対化されている。関係性というのはそう身構えなくてもいい、そこにいるだけでももう始まっているし、そこに既に価値はある。
「全部」というのは『鋼の錬金術師』のラストでもそうだったが、理屈抜きの愛を感じさせて力強い。戦場ヶ原ひたぎの美しさ、捻くれている様で真直ぐな心がこの回に詰まっている。