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全体
とても良い

冒頭から「ベフォールの子供たち」についての伝奇的導入は実に鬼気迫るもので、一瞬にして時を超えた壮大な物語に引き込まれる。そのまま「ベフォールの子供たち」と題されたクラシック調の劇伴も非常に印象的。何百年という彼等の足跡を辿り「転生」という事実に到達する…という筋だけでも面白いのだが、それはクックスとアリスの視点に過ぎない。本作は群像劇であり各々の視点から紡がれた物語がやがては交叉していく。その大いなる物語がある為に、各キャラクターの情動の描写が劇的なものとなる。長い執拗なカットにも堪えるだけの奥行きを視聴者に想像させる。
アジア的な小さい島で船を走らせ、また電車に乗り、そうした地に足の着いた生活圏からやがては秘密研究所や超文明の宇宙船まで、世界の描写がきっちり地続きになっていて高いリアリティを演出している様に思う。これほどのスケール感をこれほども精緻に描いている点で間違いなく傑作だろう。



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