ゾンビのアイドルのアニメ?と聞いてまず思ったのがこれはネタアニメ枠だろうというどこかチープな感情だった。恥ずかしながら私はアニメが放送終了してからアマプラで見始めた口なのだが、気がついたらこのレビューを書いてる今で10周くらいゾンビランドサガを見てしまっている自分がいた。とにかくアニメの構成が物凄く上手いのだ。
第1話のグッドモーニングから最終回12話のグッドモーニングアゲインまで一連の流れが繋がって主人公さくらの精神的な成長が描かれているところが見事で感動を呼ぶ。各話にそれぞれ振り返るポイントが用意されており、後の話から見返すことでメンバーの絆が1からしっかり築かれていったことがわかる。
アイドルアニメはとにかくアイドルの見分けがつかないとよく言われる。しかしゾンビランドサガがそこにこれまでにない特色を多く盛り込まれている。
7名もアイドルいるが、それぞれ生前の時代が違う。主人公さくらを現代と定義し、昭和を超えて明治初期の花魁までいる。一人山田タエというゾンビの習性を残したまま謎を多く残して説明されないキャラまでいたこともアイドルの覚えやすさに一役買っている。ここまでアイドルの説明に費やしたが、世界観の説明役にプロデューサーの巽幸太郎という強烈なキャラクターがいたことも楽しい要因の一つになった。
彼女たちがゾンビになった技術などは巽が全部そういうもんじゃい!の一言で終わるのも斬新な点だ。
個人的に特に凄い回と思った回は3話と5話と8話。
3話はフランシュシュというユニット名をアイドルをする彼女たち自身で決めるという今までのプロデュースされるのがアイドルという固定概念を覆したこと。5話は実在するスポンサーのドライブイン鳥をこれでもかと持ち上げ、ストーリーでそれが成功している点。8話はリリィが男の娘だと衝撃の展開が明らかになったがさらりと流され、リリィの父親が息子を亡くして辛い生活を送ってきたという事実が分かってこれまでギャグ路線だったゾンビランドサガがこんな話も出来るぞという可能性を示してくれた点。
言い忘れたがアイドルとして歌う曲も素晴らしくて、とにかく2期が待ち遠しいアニメになった。
このアニメで本当に佐賀を救えたら…いいな。