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良い

心に残る回になった気がします。最終回視聴後に見返してみたい感じです。
 以前の回から少しなんとなく印象に残っていた目の描写に焦点が当たった回でした。ネブラスカの防護メガネの内いっぱいに大きな目ん玉やバッシュのサングラス越しの目など、目を惹かれていました。重い十字架を背負って歩く男の目は砂漠の景色を完全に反射して映りません(砂漠に生きる、プラントから切り離され、虫を糧に生きる人々、ED表記によると猟師、はメガネが薄雲って目が見えません)。
 一行は聞くに耐えないラジオの言説を切ります。記者は通信社の情報で噂の暗殺者と男を見ます。目を見れば分かる、バッシュはそう言います。綺麗、とメリルは空に集まった虫の発光を見て言いました。目を見れば分かると、虫を操る襲撃者はやはり言いました。バッシュとは違うものを同じ男の目に映し出して見ます。
 法外な葬儀料の請求は男を胡散臭い葬儀屋に擬態させ、その不審を紛らわせていたかもしれません。大虫の内部はじめじめと湿っていて、砂漠の乾きとは対照的でした虫のネットワークから見たらこの砂漠は違って見えているのかもしれません(たしか虫の目も映っていた気がします。前回気になった、人間に使うには大きすぎる武装の相手のひとつが明らかにされてなるほどとひとつ思いました)。バッシュが鍵を抱えていると敵方は見ます。そこに本当に鍵があるのか、私はまだ少し疑っていますがたぶんあるのでしょう。
 生命の一つの証は勢いよく流れる流水で、通常生き続けるうちには観測されません。生の証でありながら、生の内に存在していません。オープニング映像の砂時計のような銃弾と砂漠の砂は、その外に生命のあることで共通しているかもしれないと思います。オープニング映像と言えば、砂の色に赤が色づく様には生命を予感させるところを感じます。砂は流水のようでいて流水ではありません(銃弾の内側は見えません。銃弾は銃の外側から撃ち出されるその時まで見えません)。画面の外で殺された、砂漠の中継点として生きた夫婦は何を考えていたのでしょうかか、何を考えて生きていたでしょうか。そこには幾多の迷いと日々の苦労とそれ以上の喜楽があって、それはきっと豊饒な語りだったと思われます。もはや知るすべはありません。
追記 エンディングをよく聞きたくなりました



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