盛り込まなければいけない要素が多いにもかかわらず、それらを器用に丁寧にこなしていっており、ストーリー構成の巧みさを感じる。
1期でQU4RTZのメンバーが経験したことが、2期2,3話に反映されているのも、丁寧さを感じる。(エマは、果林を放っておけなかったのと同様、ランジュを放っておけない(cf. 1-5話)。QU4RTZのメンバーそれぞれのやりたいことがバラバラでも、ひとつのものを押し付けようとしない(cf. 1-2,3話)。ライブまで残り1週間しかなくても、諦めず解決の糸口を探そうとする璃奈。璃奈のソロライブも直前での逆転劇だった(cf. 1-6話)。彼方と遥、2人のそれぞれの夢を諦めず、協力しながら叶えていく。料理の上達した遥(cf. 1-7話)。)
QU4RTZの物語と並行して、ランジュ、ミア、栞子のそれぞれの描写も進む。特に栞子は、自分に適性のあることに注力する、適性のなさそうなものはやってはいけない、と強く自分を律しているようだが、トキメキに出会っちゃったらどうなるか?(→QU4RTZのライブ見てトキメキ感じちゃってたけど、どうするんだ、栞子?)
そして今回は、侑の物語に大きな進展が。これは予想外。1話から曇りがちだったが、作曲の課題はとりわけ難しく、弱気な侑。ミアのアドバイスも事態をより複雑に。それでも、侑が同好会でどれだけ個性を発揮していて、大切な存在であるか、侑自身は気づいてなくても、同好会のメンバーはよくわかっている。笑いあえる君がいればうれしい、ありがとう。だなぁ。
侑の気づきから、QU4RTZのメンバーも、自分のやりたい自分だけでなく、他者から見た新しい自分の一面があることに気づく。この流れもうまい。ソロアイドルのスタイルでやってきた虹ヶ咲において、なぜユニットを組むのか、という問いに対するひとつの答えがここにある。ソロで自分のやりたい自分を表現するのも楽しいし、ユニットでそれぞれの色が混ざり合って新たな可能性を見出すのも楽しい、そうしてファンともますますつながっていく……。
QU4RTZ曲、心が浄化される。自分の内なるトキメキに気づきかけた栞子と、心を動かされつつも自分の道を譲らないランジュ。案外栞子の方が先なのかも?
そして特殊ED、NSNMピアノver。強すぎる。歌詞は侑の同好会に対するきもちなんだなぁ、と。3話でこの強い演出を使ってしまったが、この先さらに何が待ち受けているのか、期待と緊張。