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ぷーざ
@pooza

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とても良い

ジャンプコミックス、29巻から30巻にかけての収録分。
30巻の表紙裏コメントは三条先生。遂に30巻の大台に乗ったことと、記念のムック(のちの「パーフェクトガイドブック」)を制作していることについて。

ほぼ全編にわたり、ヒュンケルとヒムの決闘回。同様に高い熱量があった、ダイとハドラーの決闘回(72話)を思い出す。
原作では昇格後のヒムに「銀髪鬼」という異名があったが、その名はなくなった様だ。理由はわからない。

ここまで自分の感想を読んだ方は薄々ご承知だろうが、自分は昇格前のヒムに「いけすかない奴」という印象を持っていた。
サババでのノヴァとの対決で、概ね決着がついていた相手である凍りついたノヴァを、「笑いながら」砕こうとしたことで(48話)自分の中でのヒムへの印象は最悪に。熱血漢であるような描写もあったものの、ヒムの本性は戦闘狂であり、大魔王と変わらない強者論者の一面もあると受け取っていた。
「ぶざまに生き残るぐらいなら、美しく死んだほうがいい」という妙な美意識こそがまさに、ヒムのことを「いけ好かない奴」と感じさせていたのかも知れない。

かつて同様の美意識を持っていたヒュンケルを、「たとえ泥をすすってでも使命を果たす」戦士に変えたのはまずはアバン先生だが、その先生以上に「喜んで死にに行くような真似はやめて」と言ったエイミさんではなかったかと思う。ヒュンケルを戦士として成長させたのはエイミさんだった…とは言いすぎか?今回ヒュンケルが、パーティの仲間たちと同列にエイミさんのことも思い出しているのはとても良い。
そのヒュンケルが、ヒムを「教育」したとでも言おうか。自分の中でヒムというキャラは、この戦いを通してようやく、熱血漢という外面と齟齬のない好漢になった。「生命ではなく死を奪う」と、ヒュンケルがヒムを救ったシーンは感動的だったが。

そんな良シーンの最中に、マキシマム配下の残りの駒が飛来して、無慈悲な地鳴り音を立てて着地。
絶望的状況の演出としてはこれ以上なく、美味しいところを全て持っていかれてしまった。玄田哲章さんの好演にも強敵感があふれている。



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